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「…雛瀬さんのこと…どう思ってるんですか?」
「ん?」
ーー…あれ?ーー
心の声が私に問いかけてくる。しかしそれに答える間もなく唇は勝手に動き出す。
「だって、あれだけ美人で優しい人に教えていたら、やっぱり嬉しいんじゃないですか?店長だって男ですし。」
ーーあれ?あれれ…?ーー
溢れる疑問が胸の中に浮かんでは口にする前に消えていく。
こんなこと、聞くつもりなかったのに。考えるより先に言葉が出てきた。
計算だけで生きてきたこの私が。
しかもこの言葉。これではまるで私が…
息を潜めて店長の反応をじっと待つ。お皿には、まだ食べかけのうどんが残っていたが、喉を通る気配がしなかった。
いつもなら真っ直ぐに店長の目を見れるのに、今は反らしてしまう。
僅かな沈黙が、私には永遠に時が止まったように感じた。
「うーん、まあ確かに…美人だよね。」
照れくさそうな顔が私の視界に入る。
その笑顔を見た瞬間ー
ーーズキンーー
胸の奥が…軋んだ。