テラーノベル
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ずっと前から分かっていた。
いつかその時が来ることを…
「さて、オレ達の所の片付けは終わったから。そろそろ類達を呼びに行くとするか。」
最後の宣伝公演であるアークランドとの合同公演とその片付けが終わり、
別のところで片付けをしていた類と旭さんを呼びに行った。
「ん?何か話しているな」
「あのあと、真剣に考えました。……今のまま、フェニックスワンダーランドに留まり、ワンダーランズ✕ショウタイムとして活動するか――」
「旭さんと共に、アークランドでショーを作っていくか」
「…!?」
アークランドで…ショー…?
「……単刀直入にいえば」
「僕の夢を叶えるためには、旭さん、あなたの手を取るべきだと思っています」
旭さんと…類が…?
ワンダーランズ✕ショウタイムは?
もう…類とショーは……
「っ………!」
夕日を浴びる類の姿が、やけに遠く感じた
今なら、夕焼けが苦手なえむの気持ちが分かるような気がした
オレは知ってしまった。類がアークランドでショーをしようと思っていることを。
そして…もうワンダーランズ✕ショウタイムとして活動をしないことを。
あのあと、気持ちの整理がつかなくて、そのまま逃げ出してしまった
最近様子がおかしいと思っていたら…まさかこんなことを考えていたとは……
分かっていた。類の…いや、オレ達の夢の為にも、いつか別れる日がくることを
分かっていたんだ。ただ…こんなにも早く来るとは思っていなかった…
…類が快くアークランドに行くにも、いつまでも未練を持ち続けているわけにはいかない
類の為にも、これから少し距離を置かねばな…
類の為…これは類の為なんだ……
「司、類の所はどうだった?」
「ああ…無事片付けは終わったが、話があると言うことで、少し待ってくれと言われてな」
本当は言われていないがな…
「そう。分かった」
「まあお互い、気の合う相手だったからな。積もる話もあるのだろう」
「まぁね。」
「類くんも旭さんも、いつも楽しそうに話してたからね!もう最後になっちゃうのはかなしいもんね」
最後…か、
オレ達もきっと……
「みんな、待たせてすまない」
「おお、類。待ちくたびれてしまったぞ」
旭さんと話してよく分かった。
僕はワンダーランズ✕ショウタイムのみんながとてつもなく大好きなんだと
「あ、類くん!今ね、類くんが次はどんな演出をつけてくれるのかな?って、みんなで話してたんだよ!」
「おや、それは是非とも僕も混ぜて欲しいものだね」
「今出てたのが、家に風船をつけて飛んだり、レーザーソードで戦ったりだな」
「どれも既視感があるんだけど……」
「というか類、今度こそオレを土に埋めたりなどしないだろうな…」
「ふふっ。それはどうかな?」
「ねえそれ怖いんだけど…」
こんな他愛ない会話も守りたいと思えるほど。僕はこの場所が好きなんだ
「しかし…家に風船をつけるのは面白そうだねぇ。今度実験してみようかなぁ」
「まさか本当に家を飛ばす気じゃあるまいな…」
「本当の家でやるわけないじゃないか。もちろん司くんでやるさ」
「なにー!!!???」
みんなは、いつも僕の期待に応えてくれる
それがどれだけ嬉しいか……
ああ…………
「うるさ……先生に怒られるから、学校ではやめてよね」
「司くんが風船で飛ぶの楽しみだなぁ!!」
「おい…寧々、えむ。少しはオレの心配をしてもいいんじゃないのか…?」
大好きだな……
「みんな~~!!」
「旭さん!」
「アークランド組はもう帰らないと行けない時間になったから、挨拶しに来たんだ」
「うぅ…なんだかさみしくなっちゃうね」
「1ヶ月も一緒にいたからね」
「俺もワンダショのみんなと別れるのはさみしいよ」
「でも俺は思ったんだ。えむちゃんは違うかもしれないけれど、みんなは世界を目指している。」
「だから、またいつか会えるんじゃないかってね!」
「俺はその先で待っているから!」
「旭さん…ありがとうございます」
「類……」
「旭くーん!!もう行かないと電車遅れちゃうよ〜!」
「あぁっ!ちょっと待って!!」
「じゃあね!ワンダショのみんなぁ!!」
「えへへ……もっと食べられるよ〜……」
「う……肩が……重い……」
「フフ。元気な寝言だねぇ」
「ん?なんだ類、起きていたのか。疲れて寝ているのかと思ったぞ」
「いろいろ考え事をしていたのさ。そういう司くんは寝ないのかい?」
「ああ…オレもあれこれ考えていてな…」
類が本当にアークランドに行くのか…聞くべきだろうか
だが、ここで思い留まらせるような真似はしたくない
「……………」
「?」
「どうしたんだい、司くん?」
「いや…その……」
やはり類に心配をかけるわけにはいかない
類には万全の状態でアークランドに行ってもらわねばならぬからな…
「なんでもないぞ」
「司くん?何かあったのかい?」
「いいや…」
「あ…もしかして、風船で飛ばされるのが嫌なのかい?」
「確かにジェットより操作性は劣り、迷子になる可能性はあるけれども、その分…」
「いや、そうじゃなくてな」
「本当に何もないんだ。」
「しかし…」
「放っといてくれ!!」
ああ…やってしまった……
これじゃあ余計…
「司くん……?」
「うるさぁ…司。…着いたの?」
「んん…あれぇ?司くん、類くんどうしたの?」
「…なんでもないみたいだよえむくん。」
「みんな今日は2公演もやって疲れているんだから休んだほうがいい。到着したら起こすよ」
「すまない…類。」
オレはバカだな…心配をかけないようにしようと決めたばかりではないか……
司くんの様子がおかしい。
いつもは何かあったら正直に言ってくれるような素直な子なのに、
今日ばかりは何かを隠しているような気がする。
先程みんなで話していた時も、本人は取り繕えていると思っていたのだろうが、いつもより声のトーンが低かった。
いつから………片付けの後からだろうか?
原因は分からないけれど、
ここは…ワンダーランズ✕ショウタイムの演出家兼役者として、団長のことを元気にしていかないとだね
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