キィィィィィィィィィィィィ
けたたましいトラックのブレーキ音を前に俺は動けず迫ってくる巨大な車体に飲み込まれるしか無かった。
ピピピピピピピピ
「はぁはぁはぁ」
朝からなんておっかない夢を見てるんだ俺は。手や体は汗でびちゃびちゃでまだ6月半ばだというのにうるさい蝉の声がやけに耳に響く。アラームを止め時計に目をやる。もうこんな時間か。
時刻、午前6時30分。
今日は部活の朝練がないからゆっくり登校できそうだ。階段を降りリビングに入る。
「おはよう」
とキッチンから母が声をかける
「おはよ」
パンを口に含みながら言った。こんな朝早くから起きてるのは母と俺だけだ。兄は大学生、父も仕事だが朝がこんなに早いのは家族の中で俺ぐらいだろう。
今日は雨降らなさそうだな。朝、朝食を食べながら携帯で天気予報アプリを見るのが日課だ。これは俺が通っている高校が家から遠く、毎日自転車で通学しているためいつの間にか日課になっていた。
7時30分。いつもの時間に家を出て自転車で登校する。俺が通っている高校は県内で有名なスポーツ強豪校でかつ公立高校、偏差値も60超えというハイスペックな高校だ。家から自転車で約45分。遠い。今日は朝練がないからゆっくりできたが朝練がある日は5時起きだ。いつもの様に学校に登校する。
学校に着き昇降口まで行くと多くの生徒がいて学校だなと感じる。いつも朝早くに通学しているため近くの高校の生徒に会うどころか、人にもあまり合わない。
教室に入り授業を受ける。いつものこと。のはずだった。
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