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皆さんはこの世に神が存在することはご存知だろうか。それも1人や2人では無い。日本だけでも数百万という神が存在するのである。そして、神は人々の生活に良くも悪くも大きな影響を与えている。そんな神と人との話。
「いいか。お前たちは明後日12/30に人間界入りだ。何度も言うが神は人に幸せをもたらさなければならないんじゃぞ。」
「おう!わかってるよ」
ここは神界(しんかい)。神の世界。
そして、元気よく返事した神が空(そら)だ。
「明日朝、御守りと神社の配属先の発表があるからしっかり来るんじゃぞ。」
「いよいよか。楽しみだなあ」
神はまず各御守りに配属される。健康、縁結び、金運、恋愛などなど。次に各神社に配属される。都心にある大きな神社に配属されることもあれば田舎の小さな神社に配属されることもある。
そこで神が憑いた御守りを買った人に、その日から1年間神はその人に憑く。
もちろんただ憑くだけではない。健康の神ならば病気に打ち勝つ免疫力を強くしたり、軽い病気などは治すことだってできる。その他にも御守りによって得る能力は違う。そのため、御守りの配属先は神にとって非常に重要なものなのである。
ーーーー12月28日 夜ーーーー
「やっぱり恋愛か縁結びがいいよなあ」
空は言った。
「あぁ。学生の甘い恋を一緒に味わえるなんて最高だ」
空の友達。海(うみ)だ。
「若い女の子に憑けたら最高だぜ?」
「それに対して健康御守りだけは嫌だな」
「健康は爺さん婆さんがほとんどだからな。」
「早く知りてー!!」
2人とも理想を抱きながら気が高ぶっていた。
「空はどんな神社希望だ?俺は都会の大きな神社がいい!若い子多そうだろ?」
「確かに!俺も都会の神社希望だな!東京の神ノ丘神社とかどうだ!」
「いいね!京都の清水山(しみずやま)神社も捨てがたい」
空たちは気が高まりあまり寝付けず夜遅くまでこんな話をしながら興奮していた。
ーーーー12月29日 朝ーーーー
「よし早速御守りと神社の配属先発表していくぞ。全員いるな?」
「あれ?空と海がいないぞ」
「すみませーーーん!!!ギリギリセーフ! 」
空と海が駆け込んできた。昨夜は夜遅くまで話していたため、案の定寝坊した2人であった。
「あっぶねぇ!遅刻するとこだった」
「遅刻じゃ!まぁいいお前たちから発表しよう。」
「うそ!心の準備が」
空はそういいながらも、目を輝かしていた。
「まずは海。お前の御守りは……」
「恋愛御守りじゃ」
「っしゃあ!!!」
周りから大きな拍手が鳴った。
「よかったな!海!」
「そして神社は京都の清水山神社じゃ」
「うぉぉぉぉおおおおおお!!」
海は雄叫びをあげた。
「マジか!海!希望通りじゃねえか!」
(爺さんが俺らの話を聞いてて、俺らの希望通りにしてくれたんじゃ…。)
空はそんな期待を寄せた。
「次、空。お前はな…えーっと」
「健康御守りじゃ」
「…。」
大きな拍手が鳴った。
「なんで!」
「なんでってなんじゃ。ランダムで決まったんじゃ。健康御守りいいじゃないか。人の健康をサポートするなんて、かっこいいぞ」
「俺は恋愛御守りに憑いて、女の子の恋愛をサポート、、」
「何を言うとるんじゃ。恋愛御守りを買うおじさんもいれば、健康御守りを買う若い女の人もいる。誰に憑こうがお前は神としての役目を果たさなきゃいけないんじゃぞ。」
「わかってるよ、、」
空はさっきまでの輝かしい表情は消えていた。
「神社…!神社は…!」
「えーーっと神社はな、、岩手の竹水神社じゃな!」
「岩手!?!?」
「そう、岩手じゃ」
「岩手ってなんとなく若い人がいないイメージが、」
「岩手にだって若い子はおるわ。はい次、お前の御守りの配属先は……」
「そんなぁ…。」
このように全員の御守りと神社の配属先が決まった。
ーーーー12月29日 夜ーーーー
「海ぃぃぃ、お前ずるいぞ」
「ははは、岩手で健康御守りとはとんだ災難だな」
「そうだよ。お前は京都で恋愛御守りだろ?なんでお前だけ」
「まあまだどんな人に買ってもらえるかは分からないよ。もしかしたら岩手できれいなお姉さんに買ってもらえるかも」
「だよな?そうだよな?まだ希望を捨てちゃダメだよな!!よし!俺は岩手で若い女の人に買ってもらう!お願いします神様」
「あははは、神は自分じゃないか」
「そうだった」
「まぁお互い頑張ろうな。1年後、面白い話待ってるぜ」
「そうだな!」
ついに明日(12月30日)、海は京都の清水山神社、空は岩手の竹水神社に配属される。