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家での宅飲みを経て
青桜とカズくん ワタシと
なるみちゃんを中心に
それぞれの友達を呼んで遊ぶ
ようになった
ちなみに先輩とタケルくんは
皆んなの予想通り付き合った
そんで 引っ越して何処かで
同棲を始めたらしく私達とは
遊んでくれなくなった
『あとは 若いもん同士で』
とか 言われた
あと 千夏ちゃんも
彼氏ができたらしく そのあと
は来てくれなく なった
何故か 当然のように
ワタシの部屋が溜まり場に
なっている
上の部屋は 先輩が引っ越して
から空いている
元から角部屋だし たまたま
隣も引っ越して空いたので
多少騒いでても怒られない
都合が良いのだ
ま 別にかまわないんだけど
ミスが許されない 息が詰まる
ような緊張感漂う 職場
と 一人でご飯食べて寝る
だけのために帰る部屋の往復に
どんどん気持ちが鬱々と して
疲れてるのにぐっすり眠れない
日も多かった
誰かが遊びに きてくれれば
ストレスが 発散 できるし
ついでに 食べ物
飲み物を 持って来てくれる
場所を提供してるから
ワタシは何も出さなくてよい
という流れになってて正直
助かっている
大体みんなで宅飲み したあとは
青桜が家に泊まって いくように
なった
最初は
『アンタと二人きりとか無理!』
って断ったんだけど
「オレがトビに
手ぇ出す訳ないじゃん」
「自意識過剰ぉー」
とか言われて そりゃそうかと
変に納得しちゃったのが始まり
最近は 宅飲みの会がなくても
コイツ一人で 『泊めてー』と
気軽にやって来る
ワタシの方もなんだか
寝てる コイツの 気配が ある
ほうが ぐっすり 眠れる と
思うくらい には慣れて しまった
コイツが寝やすいように長座布団
とか買っちゃったし
今日も今日とて
コイツが来ていた
明日 皆んなの休みが合った
のでゲレンデ に遊びに行く
ことに なっていた
コイツは前泊している
ワタシの部屋に
無料の宿屋かよ ウチは
何となく考える
女の家を渡り歩いて生きてる
ヒモ男 …こんなヤツが存在する
のは 正直 創作の世界の中だけ
だと思ってた
いるんだなぁ 実際
車の整備の仕事はしてるから
ヒモとは 呼ばないのかな?
でもクズ 女関係ガチのクズ
そして こういうの拾って
世話を しちまうバカな女
(自分も含む)
もいるんだよなぁ 本当に
感慨深い?ような気さえする
ずっと 自分をつまらない人生
どこにでもある日常しか歩めない
人間だと思ってた
ただ流されただけとはいえ
こんな面白いことになるとは
全然思ってなかった
刺激を求めてたのか?ワタシは
しかし こんなの続けていては
人生終わる 不毛だ
ワタシ達はただの 友達 だ
セフレではない
断じてヤッてない
いつものメンバーはそんなの
わかってるからいいとしても
男が頻繁に部屋に 出入りしてる
ような女に まともな彼氏
出来るかって 言われたら
NO だ
今までだって出来たことないのに
絶対無理
このままでは ダメだ
この悪縁は 早めに切るべきだ
とは 思う
今なんて コタツで寝ると
喉が痛くなるとか文句言って
ベットに入り込んできてる
そういえば なんだかんだ
もう半年近く この関係は続いて
いるんだなー
思えばすったもんだあったな
オマエ 私達が連れて来たコ
何人手ぇ出したんだ?
ワタシが把握してるだけでも
結構いるんだけど?
目の前で 女が落ちる瞬間を
見たこともある
居酒屋で皆んなで飲んでるとき
ふと コイツを見たら女のコの
頬を 撫でてた
狐の笑みを浮かべ
女のコの顔を小首を傾げるように
して見つめ 軽く曲げた
指の背で…
そのコが一瞬でトロンと溶ける
ような表情になったのを見た
なんだ!そのムーブは すげぇ!
事前に 彼女いるし セフレが
たくさん いるような男だって
注意喚起はしておいたから
ワタシ達は悪くないよね?
『天賦の才だよ!もうそれ』
『ホストが天職じゃない?』
『給料日前になるといつも
金がない 貸してー とか
ほざいてるんだから
ホストにでもなって稼げば?』
その後 会った時に言ったら
返答は
「仕事にしたら楽しくない
んじゃね?」
「酒 そんな強くないし」
だとさ
楽しくてやってる ヤツも大概だ
と思った
『じゃ ワタシがそっちに
寝るわ』
移動しようとするとガッチリと
腰に抱きつかれた
「やーだぁ! 寒い! 一緒に
寝ようよぅ」
「なんも しないってぇ」
青桜がふざけた猫なで声を出す
悪い男の常套句ではあるが
まぁ コイツはワタシに
何もしてこない
今さらそこは疑ってない
マズイのはワタシのほうだ
週1〜2回遊びに来る
コイツに心を許してしまってる
バカな話しをして笑ってる
だけで癒されている
なんなら 明らか あざとい
上目使いも カワイイとか
思っちゃってる
ああ 終わってる
惚れてるじゃん もうコレ
レベル1の女戦士
vs
レベル99の遊び人
恋愛経験値の 圧倒的なレベル差
勝負にも ならないわ
こんなもん!
最初のころは カズくんのほうが
イイ とか ちょっと思ってた
けどカズくんは なるみちゃんが
好きみたいで 割とわかりやすく
アプローチしていた
なるみちゃんは 青桜の方が
タイプだったみたいで
カズくんの 誘いは のらりくらり
と 躱していた んだけど
最近やっと付き合い 始めた
やったね カズくん!
粘り勝ち!
んで 青桜はワタシの家に
遊びには来るが
本当に 好きなのは本命さんのみ
しかも生涯 誰とも結婚は
しない 主義だそうだ
そんなヤツをワタシはうっかり
好きに なってしまったらしい
前々から うっすらヤバい
とは思っていたが とうとう
自覚して しまった
同時に 男の可愛い に弱い
ことも 自覚した
(あざとくても可)
もう どうにもこうにも残念な
ヤツだよ ワタシは
『しょうがないなぁ じゃあ
アッチ向いて寝て 』
とりあえず こっちを見られて
いたら眠れる気がしないので
壁の方を向かせる
素直に向きを変え 少し
丸くなって 寝る 体勢
になった青桜
『狭い』
ワタシに言われ 渋々と
身体を壁際に 寄せた
『カワよ..』
思わず小さく心の声を露しながら
電気を消してワタシも
よこになった
いつもは固められてチクチク
する灰色髪が 今はフワフワ
と目の前にある
以外とネコ毛だな
誘惑に抗えずワシャワシャと
かき混ぜる
「なに?!」
『迷いこんだ猫ちゃんが
ベットに上がって来るくらい
懐いたんだからモフる権利くらい
あるでしょ?』
「動物に例えんの好きだねぇ
狐じゃなかったっけ?」
あはは
『じゃ 迷い猫じゃなくて
迷い狐だったね』
『はい ねんね ねんねー』
「寝ていいの?」
『? どうぞどうぞ』
「誘われてんのかと思った」
『ー!アホか!』
寝息を立て始めた青桜の
髪を梳くように撫でている
イイ匂いがするなぁ
ウチのシャンプーの匂い
のはずなんだけど なんか違う
恋という モノは五感も
狂わすの ?
寝てる男の匂いを嗅ぐとかいう
変態行為をしながらポエムみたい
なこと考えている自分を嘲笑い
ながら目を閉じた
あー もう なんだったら
手ぇ出してもらったほうが
イイまであるわ
別に初めてとか大事にしてた
わけじゃないし夢も持ってない
遊んでるヤツのSE×って
自分勝手で良くないとか
噂に聞くしな
以外と冷めるかもしれんし
ヤッちゃったら もう友達じゃ
いられないからーとか言って
幕引きも出来るんじゃない?
うーん でもワタシから
しよう とか 言うのは違うし
口が裂けても言えない
そんなこと言ったら
セフレにまっしぐらだ
セフレの一人になるのは
嫌だ!絶対ダメだ!
こんなこと考えてたら
寝れなくなったわ!!
スヤスヤ言ってる青桜が
憎たらしい
ぐっすり寝てるのを確認し
いつぞや コイツがイタズラ
してきたときのように
そっと背中にくっついて
青桜を抱き枕にして みた
わー あったかーい
なんか凄い 癒されるー
満たされる〜
やっぱ イイ匂いするー
はぁ…. スゲー 虚しーい