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「ピアちゃ〜ん!」
ある日、私がいつもの様に家でのんびりしていたのを遮断するかの様に、私を呼ぶ声が響く。扉が開く音もセットで。
またか…などと思いながら、その来訪者が来るまで待つ事にする。勿論、わざわざこっちから迎えに行くなんて事はしない。
…え、来訪者にお茶を用意しろ?おもてなしは?
知るかそんなの。まず第一向こうが勝手に来たんだから、わざわざ用意してやる必要だって無い。
そんな自問自答を繰り返しながら本を読んでいると、こちらに向かって来る足音が聞こえてくる。
(ちょっと待って、来るの早くない…?)
部屋は前回と変えたし、私が今居る部屋はそれ以前の部屋とも被っていない。それに、まだ使っていない部屋だって山程あるのに。
頭にそんな疑問が浮かび困惑するも、その事について考える程の時間もくれずに、訪問者は部屋の扉を開けた。
「やぁ〜っと見つかったよぉ〜!どれだけ部屋あるのさぁ〜、この家〜!」
訪問者は息を切らしながら、そんな愚痴を私にこぼす。部屋に入って一言目が愚痴…よっぽど疲れたのか。
「そう。それはお疲れ様。…それで。要件は何?」
まぁ、そんな事知った事では無い。こっちとしてはとっとと終わらせてのんびりしたいのだ。
…あ、そうだ。確か、まだ名前言ってなかったよね?私はユートピア・リブート。省略して普段はピアって呼んでもらってる。
それで、私がさっきから訪問者って言ってた子はヴォイド・エクリプス。普段の呼び方は、本人の希望からイドになってる。
私は大抵の人には最初からピアって名乗ってるけど、イドは略称の前に自分の名前をちゃんと言っている。あの人偉い。
…本題に戻るか。
ちょっと名前紹介が長くなっちゃったから、私が直前に何を言ったかだけもう一回言うと、私は要件は何かってのを聞いた。
普段のイドなら、特に要件なんて無いよ〜、などと答えるのだが、今日はどうやら違うみたいだ。なんか面倒くさい予感。
「ええっとね〜、今日来たのはちょぉ〜っと面倒くさい内容だと思う…。」
…えっ、面倒くさいって最初から言うんですか、イドさん。私が余計にやる気無くす事を知っておいて。
これは本当に面倒くさいのだ。ちょっとめんどいよ〜くらいならあの人こんな事言わずに押しつけてくるもん。
「はい、これ。今回あたしがピアちゃんの所まで来た理由が書いてあるよ〜!」
そんな事を言いながら、私に一枚の手紙の様なものを手渡してくるイド。
見たくないなー、なんて叶わない事を考えながら、渋々と手渡されたものの封を開ける。
「…うわっ…これやりたくねー…。」
そこに書いてあった内容に、思わずそんな本音が…じゃなくて。思わずそんな声が出てしまった。