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『言葉で紡ぐ恋のライム』
〜マイクで紡ぐ恋の予感?〜
番外編6 『妹の百合菜が誘拐!?』後編
東京アニバーサリー施設
迷宮の塔
私達は暗闇に包まれた塔へ入る。
すると……。
バタンッ!
『扉が…っ!』
『来たか。お嬢様。』
『!貴方が百合菜を攫った…』
『あぁ。俺達がお前の大切な妹を攫った。だが、主犯格は別にいる。』
『別…?』
『俺達は金で雇われただけだ。まぁ、以前から女が偉そうに探偵を名乗ってるのが気に食わなかったし、利害関係の一致ってやつだな。』
『百合菜はどこ。』
私はチンピラ達を睨み付ける。
『俺達はお前達を足止めに来たんだ。そう簡単に通せねぇよ。』
チンピラ達は違法マイクを起動させる。
ブォォンッ
『っ…!』
『時間内に謎を解く前に俺達にやられた方が身の為だぜ?お嬢様。』
『ふざけないで、百合菜を置いて負ける訳ない!』
私はヒプノシスマイクを起動する。
カチッ。ブゥゥンッ
『待て、百合菜。』
『左馬刻さん……っ。』
『謎を解くのはお前の役目だろ?ここは俺達がやる。一郎、お前の弟を連れて行ってやれ。』
『麻里姉!謎解きなら僕に任せて下さい!』
『三郎君…。』
『麻里衣さん。小生も行きますよ。こう見えて頭は回るほうなんです。』
『幻太郎さん…。』
『ほら、早く行け。麻里衣!』
『っ、はい!蘭!千鶴達と一緒にみんなを護衛して!』
『かしこまりました。お嬢様。』
『ボクもお姉様と行きたかったな〜。』
『貴方は戦闘向きでしょ、千羽。』
『ボクは頭脳担当だよ、千年姉様。』
『千代姉、やりすぎないでね。』
『それは加減できないかな〜。』
私たちは階段を上る。
第一の門
『2階へ行く為にはここの謎を解くしかないと…。』
『最上階は5階です。制限時間は1時間20分。どんな難しい謎があるか分からない以上油断は出来ませんね。』
『1 + 2 =3
3 + 4 = 10
5 + 6 = 21
7 + 8 =?
9+10=55
?に入る数字は?』
『二郎がいたら詰んでましたけど、僕がいれば完璧ですよ!』
『サラッとディスらないの…三郎君。』
『ふむ、簡単ですね。』
『えぇ。小学生でもできるわ。答えは36ね。』
壁に書き込むと門が開く。
ギィィ…。
『よし、次の階へ行きましょう。』
『解説しましょう。これは1つ前の数字に答えを足していけば解けますよ。』
『読者の皆さんにわかりやすい説明ありがとうございます、幻太郎さん。』
第二の門
『朝と昼は見える。だけど夜は見えない。』
『どこが難しい謎解きだよ…誘拐犯は麻里姉を舐めてるのか?』
『あくまでここは遊園地だし…子供向けの謎解きしか用意されてないのよ、きっと。』
『答えは太陽です。』
『さ、次へ行きましょう、麻里姉。』
『えぇ。』
第三の門
『0は2に勝ち2は5に勝つ。だが、0は5に負けて、2は0に勝てない。この遊びなーんだ。』
『簡単すぎてイライラします。』
『じゃんけんね。』
第四の門
『赤と白はピンク。赤と青は紫。では、光の三原色は?』
『光の三原色RGB。乱数、幻太郎残りはBakaだ♡』
『ふざけるなよ夢野。赤と緑と青だ。』
『幻太郎さん楽しんでます?』
『すみません、小生遊び心が…。』
一方その頃――
『口ほどにももねぇ。』
『とりあえず縛り上げておきましょう。』
『くそ…っ。』
『お姉様に手を出そうとした時点で負けなんだよ。無能が。』
『千年、やり過ぎるなよ?』
『えぇー?千鶴お兄ちゃんこんなやつ死んだっていいじゃん。』
『そうだよ、お姉様に手を出したんだよ?』
『はぁ、血の気が荒くて困る…お前達、お嬢様が戻ってくるまで何もするな。』
『『『はーい。』』』
『くそ、俺は金で雇われただけだ!こんな目に遭うなんて聞いてねぇ!』
縛り上げたチンピラの1人が逃げ出そうとする。
と、その時――。
ドスッ!
『ぐはっ!』
銃兎が足で腹に蹴りを入れた。
『全く、逃げても無駄ですよ。大人しくブタ箱にぶち込まれとけや。』
『ひ、ひぃぃ!』
最終巻門をクリアした私達は百合菜のいる最上階へ。
バタンッ!
『百合菜!』
『おや、早かったですね。』
暗闇の中で1人の声がする。
『百合菜は無事なんでしょうね。』
『えぇ。気を失ってるだけです。』
月の光が窓に差し掛かり顔が見えた。
『…どうして貴方が百合菜を…皇先生!』
『麻里姉、お知り合いですか…?』
『っ、大学の教師よ。大学四年生を担当してるから滅多に会うことはないけど、優しくていい先生なの。』
『貴方の目にはそんな風に映ってるんですか。おめでたいですね。私も。貴方のような生徒に私も教えたかったですよ。』
『どうしてこんなこと……』
『全て嫌になったんです。毎日のように生徒たちに舐められ、侮辱される日々に。だから、生徒達の個人情報を管理してる教師棟にある資料を盗みSNSに晒そうとしたんですよ。まさか、見られているとは…』
『百合菜はただの被害者よ。貴方の個人的な物に巻き込まないで!』
『見られたからには…口封じをしなければいけません。だから貴方を呼んだんです。芋のことを心底大事に思ってる貴方なら…必ず助けに来ると。』
『百合菜に指一本でも触れてみなさい。許さないわ。』
『ふふっ。いつも聡明で美しいあなたがそんな顔で睨むなんて……らしくないですね。』
ピトッと百合菜の頬に刃が当たる。
『やめて……っ!』
『本当にイライラする…貴方が居なければ全て上手くいったのに。』
バチンッ!
『…!!』
百合菜の顔を皇先生が叩く。
『百合菜さん、貴方のせいで私の人生めちゃくちゃですよ。』
『……。』
ギリッと拳を握り締める。
『麻里衣さん?妹さんがやられているのに無視ですか?』
私の中で何かが壊れる。
私は一心不乱に皇先生へ向かって足蹴りする。
ドゴッ!
『ぐっ…!』
その勢いで先生は倒れ込む。
『麻里姉…!?』
『麻里衣さん!』
『げほ、げほっ。』
『……。』
百合菜をお姫様抱っこし、部屋の隅に寝かせる。
コツコツ……。
そして、私は皇先生を執拗に痛め付けた。
ゴスッ!ドスッ!
『ぐはっ、や、やめ…っ。』
『麻里衣さん!ダメです!』
『こんな奴のために手を汚すなんて…!』
『よくも、よくも妹に怪我を……。』
(僕達の声が聞こえてない…?)
『ひ、ひぃっ!たすけ、だれ、か…っ。』
逃げようとする皇先生の手を踏み付ける。
ギリィっ。
『痛いっ…!』
『……。』
当たりを見回し、鉄の棒を拾う。
コツコツ……。
『そ、そんなもので殴られたら死…っ。』
『私の妹に手を出したのよ…死んで当然よ。お前みたいな奴。殺してやるわ…』
バタンッ!
ドアが蹴破られて他のみんなもやってくる。
『麻里衣!』
『碧棺左馬刻!』
『はぁ?なんでこんな…おい、麻里衣!やめろ!』
『無駄です、声が聞こえてないんです。』
『お嬢様!ダメです!』
『お姉様…!』
『……。』
鉄の棒を振り上げ、殴ろうとした時だった。
『…お姉ちゃん――!』
『……!!』
その一言で私は自我を取り戻す。
『ダメ、だよ……。そんな奴の為にお姉ちゃんが傷つく必要なんて、ない…。』
『百合…菜…。』
カランカランっ。
鉄の棒を落とし百合菜に近付く。
『私また…。』
『お姉ちゃん……助けに来てくれてありがとう…。帰ろ…?』
『っ…えぇ。帰りましょう。百合菜。』
こうして、誘拐犯達は逮捕され、私達は自宅へ帰ることに。
『お嬢様。』
『はい。』
『百合菜様が大事なのは分かります。でも、やり過ぎです。』
『ごめんなさい…』
『全く、無茶をなさるんですから。何のための執事なんです?もっと頼ってください。』
『蘭…えぇ。分かったわ。』
『みんな、ありがとう。助けに来てくれて。』
『当たり前だろ?みんなお前のこと大好きなんだから。』
『はぁ、そこは俺って言っとけよホント低脳だな。』
『ばっ!何言ってんだよ三郎!』
『ふふっ。ありがとう。二郎くん。』
『蘭、ひとつ聞いてもいいかしら。』
『はい。』
『なんで千年達正座してるの?』
『俺から説明します。あいつらチンピラ達を警察に引き渡す前ボコボコにし過ぎたんすよ。それで兄貴に怒られて…』
『気にしなくていいですよ。お嬢様。あのバカの三つ子にはまた後で罰を与えます。』
『『『もういいじゃんー!お兄ちゃんのバカー!』』』
痛い目を見たのは千年達でした……。めでたしめでたし?
コメント
1件
みぅ🤍🥀です 誘拐事件の後編、読み終えたよ…。麻里衣が妹のために必死になる姿、すごく胸に響いた。最後の「♡♡♡てやる」ってところまで追い詰められるほど、百合菜を大事に思ってるんだなって伝わってきた。でも百合菜の「お姉ちゃん」の一言で正気に戻るシーン、めっちゃ良かった…姉妹の絆、尊いよ🥀 謎解きパートもみんなで協力してて微笑ましかったし、三つ子たちがチンピラをボコりすぎて正座してるのがちょっと笑えたw 重いテーマだけど、最後は温かく締めくくられてて、読んでよかったと思える話でした。ぷちさん、素敵な作品をありがとうございます🤍
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