コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
(な、なんなんだ…)
「やぁ、君」
(?!)
誰かが、僕に話しかけてきた。
「君だよ、そこで浮遊してる君さ」
(何の用だ…?)
「…話せるだろ?」
「…ほんとだ」
目の前には、『怪物』がいた
「君、なんて名前だい?」
「え…っと、僕は、山岸咲って言うんだ…。」
「咲、か」
『怪物』は僕を見るなり、笑顔になった
「咲、困ってることあるだろ?」
「え、どうしてわかるの?」
「それは内緒だ」
彼は紅茶を差し出した。
「さぁ、ゆっくり話してご覧よ」
「…うん」
「何があったんだい?」
「…自己紹介で笑われた」
「それ、4月の話だよな」
『怪物』は菓子を出しながら返事をした
「うん、それで今はなんだか、周りの男子が僕のことを噂してるみたいなんだ」
「…………へぇ」
「そういえば」
「ん?」
僕は『怪物』へ聞いた
「君の名前は…?」
「ボクはブルームさ、ブルーム・ホワイト」
「…外国人みたいな名前だね」
「はは、あながち間違いじゃないかも」
「?」
ブルームは謎の紙を取り出した。
「これは?」
「僕の住んでる場所さ、見たことないだろう?」
そこには7つの国が融合した合衆国があった。
「…こんな地名、初めてだ」
「ふふん、アダバヌなんて初めて聞いたろ」
「…うん」
彼は地図をしまい、真剣に聞いてきた
「なぁ、咲」
「なんだい?」
「お前、『怪物』に興味はないか?」
「『怪物』…、君みたいになるの?」
「あはっ、そうだね」
「…………。」
僕は黙った、じっくりと考え始めた。
(ここで、『怪物』になったらどうなるんだ…?)
「ふふん…『怪物』について知りたいか?」
「………知りたい」
「よーし、聞かせてやろうじゃないか」
ブルームは『怪物』になった
経緯を聞かせてくれた
「じゃぁ、ブルームも僕と同じだったの?」
「あぁ、ボクも『人間として』生きていた頃は
咲と同じだったよ。
いじめられていたし、
同じことで悩んでいたさ。」
咲はなんだか嬉しくなった、
同じ心境の人にようやく会えた気がしたからだ。
「僕も『怪物』になりたい」
「………じゃぁ、なるか。」
クッキーを一枚咥えた彼はニコッと笑った。
「どうやってなれるの?」
「今からやるさ、待ってておくれよ。」
ブルームはそういうなり、僕に腕に爪を立てた。
「いっ?!」
夢の中のはずなのに、痛みがあった。
「我慢だよ、そんだけ自傷の跡があるなら大丈夫だろ?」
「…まぁ、そうだな」
彼は僕の血液を大きな魔法陣へ落とした。
「ママラカラナカラアラアクマ」
「マラカラマラカラアククマクマアクラナア」
「…?」
「ほら、真ん中に立ちなよ」
唾を飲み、真ん中に仁王立ちした。
「さぁ、行くよ…」
「燃え尽きるなよ」
「?!」
「ママラナカラマカラナカマアクマナカマラナカラマ」
「…ぐうっ!?」
違う、なぜだ夢の中のはずなのに
(あっ…………つい!?)
「…………あぁ、素敵じゃないか!咲!!」
目の前に差し出された鏡には
「…これが、僕…?」
血液に染ったような赤い目玉に、
黒いギザギザとした歯大きな獣の耳に、
シマシマの角、黒い腕が背に生えた。
「………ホント、素敵…」
「アハハハハハ!!さぁ、その力で
『困り事』ごと滅ぼしてこ、ぃぐびっ!?」
僕は、変化した体でブルームを掴んだ
「なっ、何を…」
「ブルーム…君は、僕の一部なんだろ?」
彼は「バレたか…」とにやけた。
「…君のこと、取り込ませてもらうね」
「…ハハハ、傑作だ…………ッ」
バグンッと彼を飲み込んだ。
(身体が…暖かい…)
「嗚呼、素晴らしい」
興奮状態に陥った僕を止めるものは
もう、何も無い。
『止めてみろよ、この狂気じみた僕を…!!』『この、狂気じみた『怪物』をッッ!!』
夢の世界は、混沌に包まれた。