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「月城さんみたいな素敵な男性に、穂乃果が見初められるなんて本当に嬉しいわ。お父さん、この人なら大丈夫ですよ。この結婚、認めてあげましょうよ」



しばらく考え込むお父さん。



「……ああ、そうだな。月城さん、穂乃果を頼みましたよ。どうぞよろしくお願いします」



今度は、私の両親が悠人に頭を下げた。



「ありがとうございます。穂乃果さんのことは、生涯、命をかけて守り抜きます」



お父さんは、何度もうなづいた。

お母さんは、嬉しくて泣いていた。

そして、私も……心からみんなに感謝して泣いた。

悠人も少し目が潤んでいる。

何とも言えない幸せな空気に包まれながら、私達は食事の続きをした。



悠人が月城グループの御曹司であることを話すと、2人とも腰を抜かしそうになっていた。思った通りの反応だった。でも、それをひけらかさない悠人のことを余計に気に入ったみたいだった。



夜がふけるまで、私達はゆっくりと家族の団らんを過ごし、そして、帰宅する時間を迎えた。



「お2人が素晴らしいご両親で、穂乃果さんがなぜこんなにも素敵な女性なのか……その答えを見た気がしました。温かいご家庭で大事に育てていただきありがとう、本当にありがとうございます。これからは、私が穂乃果さんを大事にしていきます。もちろん、お2人も私にとっては大切な家族です。これからもよろしくお願いします」



「月城さんみたいなイケメンの人格者。穂乃果にはもったいないわね。私が花嫁に立候補したいくらいだわ。あと、30年若かったら良かったのに」



「お前は30年前でも無理だな。せいぜい私みたいな男しか相手にしないだろう」



温かいムードの笑いがおきた。



「今でも素敵なご夫妻ですが、30年前も、きっとお互いを思い合う仲の良いお2人だったんでしょう。時間が経っても変わらずに、お互いを大事にできる、そんな素晴らしい夫婦になれるよう私達も見習っていきます」



「まあ、嬉しい。そんな風に言ってもらって。確かに……こんな主人ですけど、私は今までずっと幸せでしたから」



「おいおい。恥ずかしいこと言うな」



こんなやり取りをする2人、初めて見たかも知れない。

悠人の言う通り、お互いを思い合って……30年間支え合ってきたんだ。お父さんが、お母さんを怒鳴ったり、ケンカしたところを見たことがない。穏やかなお父さんと、優しくて楽しいお母さんが大好きで、私は素晴らしい両親の元に生まれ、育ててもらったんだと感謝が溢れた。



そう思うと、改めて夫婦になることの大切さを知って身の引き締まる思いがした。

私も、こんな夫婦になれるよう頑張りたい。



「次は、ぜひ、うちの両親に会って下さい。お招き致します」



「まあ、嬉しいわ。ぜひとも伺わせて下さい。でも、天下の月城グループの社長さんのお宅に、私達みたいな庶民が伺ってもいいのかしら」



お母さんが、ちょっと不安そうに言った。

始まりはクールな御曹司とのとろける様な一夜から

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