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新連載オークションパロです
※冴凛
※キャラ崩壊
｢さぁ！始まってまいりました！人身オークション！今宵はかなりの目玉商品を用意しております！｣
ハツラツとした声が会場全体に響き渡り、主催者の合図で檻の中から1人の少年が連れられた。
｢今回の目玉商品！若くして剣の才を持ち、なおかつこの美しい顔立ち！瞳はなんと透き通ったターコイズブルーです！｣
ハツラツとした紹介と同時に少年にスポットライトが当てられる。
スポットライトに照らされ、輝く瞳と美しい顔立ちが公開される。その美しさ故に会場は一気に湧き上がった。
少年の美しさに誰もが目を奪われ、｢この少年が欲しい｣｢この少年を意のままにしたい｣と観客全員の私欲が掻き立てられる。
｢さぁ！会場も盛り上がってきたところでこの少年の入札を開始していきたいと思います！｣
主催者が更に声を張り上げ拍子木を打つ音が会場に響き渡った。
そしてそれと同時に何人もの入札希望者が次々と現れる。
二千万、五千万、六千万、九千万―――
数分と経たぬうちに、少年には数千万円を超える値が次々と付けられ、その勢いは止まる気配を見せなかった。
しかし――少年の目は虚ろだった。自分に高額な値が次々と付けられようとしているのにも関わらず観客に見向きもせずただただ下を向いている。その様子はまるで何かを諦め、この身を誰でもいいから捧げてしまおう。そう覚悟してこの場に居座っている、そんな様子だった。
そんな少年にはお構い無しに次々と金額は跳ね上がる。気づけばこの少年に付いた値は億を超えていた。
そして、三億の値がついたところで途端に入札希望者が出なくなった。
当然だろう、三億という値は相当な代物でない限り滅多に出ない金額でありそれ以上はたとえ大金持ちであってもなかなか手の出しずらい金額であったからだ。
｢三億！三億です！これ以上の入札希望者はいませんか？｣
主催者があたり全体を見回す。
しかし会場は変わらず静まり返っている。
静まり返る会場の一角で三億もの金額を入札したであろう小太りの男が勝ち誇ったかのような笑みでにんまりと笑う。
そして誰もがこの男の入札で決定だ。そう思っていた。その時だった―――
｢十億。｣
会場が静まりかえる。
その数字は、周囲の誰もが二の足を踏む程の破格だった。
｢ええっと⋯⋯｣
｢聞こえなかったのか？十億だ。｣
主催者の困惑などお構い無しに十億という破格の金額をもう一度繰り返す。
｢他に、入札する方はいますか⋯⋯？｣
｢他に入札する者がいるならすればいい。金なんて腐るほどある。それに、この少年に十億の値など安いものだ。｣
破格の金額を出しておきながら更に観客を威嚇するような言葉を言い放ち、会場の緊張感をさらに高める。
そして、先ほどまで虚ろな目で俯いていた少年が、ふと顔を上げた。
入札者の姿を見つめるその瞳には、はっきりと希望の光が宿っている。
この人は、自分を“商品”として見ていない。
一人の人間として、真正面から見てくれている。
だからこそ、あの男は十億という破格の金額さえ、「安い」と言い切れたのだ。少年は、そう確かに感じた。
｢で、では！十億で落札とさせて頂きます！｣
―――カン！カン！カン！
拍子木を打つ音が響き渡り入札が終了する。
入札者は主催者から渡された書類にサインを済ませ、ゆっくりと少年の元へと歩み寄った。
そして座り込む少年の顔を除きながら問いかける。
｢お前の名前は？｣
｢⋯⋯凛、です。｣
｢そうか、凛と言うのか。いい名前だな。｣
入札者は少年を見ながらかすかに微笑んだ。
｢俺の名前がまだだったな。俺は冴、南の国を収めるいわゆる王様みたいなものだ。｣
冴は一泊置いてから話を続けた。
｢そして凛、お前は今日から俺の花婿だ。俺に尽くし、俺だけを愛す花婿。わかったか？｣
そう言って冴は座り込む凛に手を伸ばした。
凛は静かに頷いた。花婿、王様そんなことはまだよく分からないけどきっとここにいるよりかはずっとマシな生活ができる。凛はそう確信し、冴の手を取り立ち上がった。
凛の手を引き、立ち上がらせると、冴はそのまま凛を連れ出口へと歩き出した。
途中、先ほど三億の入札を申し出た男が、悔しそうにこちらを睨みつけていたが、冴はふとそちらに視線をやり、まるで子供のように舌を突き出した。
――ざまぁみろ。
そんな言葉を無言で伝えるように、冴は愉快そうに目を細めた。
初めてパロ書いてみたんですけどどうですかね…?
初めてであんま自信ないので続き読みたいって人が多ければ書こうかなって思います！
なので感想とか気軽にコメントして頂けると嬉しいです✨
コメント
5件
…好きです。（（（（変態 オークションパロ大好きですｯ！！！！！！
初コメ失礼します..!! 前からかんてん様の作品読ませて頂いてました、！ オークションパロ少なめなんでありがたい...めっちゃ面白かったです!!! 自分は続きめちゃくちゃ読みたいです!!! ずっと応援し続けてます!!!! これからも頑張って下さい!!!(長文、名前呼び失礼しました、！)
