side🤍
レッスン終わり、僕は一人で鏡の前に立っていた。
スタジオにはもう誰もいない。
みんな先に帰ったけど、なんとなく足が動かなくて残った。
「まだまだ、足りない」
今日のレッスンも、納得できなかった。
メンバーと比べて、自分はダンスが武器だって思ってた。
小さい頃からやってきたし、自信もあった。
でも、Snow Manに入ってから、考えが変わった。
「みんな、すごすぎる」
岩本くんの振り付けは、細かいところまで計算されてて、キレとしなやかさのバランスが完璧。
佐久間くんのダンスは、まるで感情が乗ってるみたいに表現力がすごい。
目黒くんは、大きな体を活かしたダイナミックな動きがあるし、向井くんのリズム感も独特で真似できない。
9人のダンスは、それぞれ違うスタイルなのに、一緒に踊るとちゃんと「Snow Man」になってる。
🤍「……俺は?」
鏡に映る自分を見つめる。
俺のダンスは、ちゃんと「Snow Man」になれてるのかな。
💛「何してんの?」
不意に後ろから声がして、びくっとした。
振り向くと、岩本くんが腕を組んで立ってた。
🤍「岩本くん、、」
💛「まだやってたのかよ。もう遅いぞ」
🤍「……ちょっと、練習してました」
岩本くんは「ふーん」と言って、僕の隣に立つ。
💛「なんか悩んでる?」
その一言に、胸の奥がぎゅっとなる。
🤍「僕……まだ、みんなに追いつけてない気がして」
ポツリと本音がこぼれる。
🤍「みんなすごいのに、俺はまだまだで……。このままじゃ、足引っ張るんじゃないかって思うんです」
岩本くんはしばらく何も言わず、鏡の中の僕を見ていた。
💛「……ラウール、お前さ」
🤍「はい?」
💛「俺たちのダンス、9人で揃ってるように見える?」
🤍「……はい。みんなバラバラなスタイルなのに、不思議とまとまってて……」
💛「それ、なんでだと思う?」
🤍「え……?」
💛「お前がいるからだよ」
ドキッとする。
💛「俺たちのダンスが、今までより進化したのは、お前がいるから。ラウールが入ったことで、新しい風が吹いたんだ」
🤍「……でも」
💛「不安なのはわかる。でも、ラウールのダンスはちゃんと“Snow Manのダンス”になってるよ」
その言葉に、思わず喉が詰まる。
🤍「……本当に?」
💛「本当に」
岩本くんは笑った。
💛「お前は最年少だけど、もう立派なSnow Manの一員だよ」
気づけば、目が熱くなってた。
🤍「……ありがとうございます」
💛「じゃ、最後に一回踊るか」
岩本くんがスマホを取り出して、音楽をかける。
流れ出したのは「Party! Party! Party!」。
僕は、涙がこぼれないように思い切り踊った。
――僕は、ちゃんとSnow Manになれてる。
そう思えた夜だった。
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