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テラーノベルの小説コンテスト 第3回テノコン 2024年7月1日〜9月30日まで
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__《数日後》


「うーっし、明日くらいには終わりそうだな」


私達3人はここ数日でクバル村や近隣の魔物は全て排除していた。


「焚き火なんて久しぶりだな」


焚き火など、冒険者としてやってはいけないのは初歩も初歩の事なのだが……もしもこれを頼りに襲ってくる様な者が居るのなら今の私達にとってはちょうどいい。



と、言う事で、近くの川で釣れたウーリーシャークを太い鉄製の串に刺して焼いている。


「あー、思い出すぜ、調子に乗って焚き火したら【ブラックベアー】の集団から襲われたっけなー」


「あの時は死ぬかと思った……」


「オリバも散々だったな、あの時は」


焼けたウーリーシャークをクロエはガツガツと女の子らしくない食べ方で食べ始める。


「あ〜うっめ!」


「……」


反対にオリバルは自分の皿を転送して来てその上でナイフとフォークで器用に身だけを食べている。


「そういえば、これ、覚えてるか?」


そう言って私は1つのボロボロの魔皮紙を取り出す。


「おま、これ」


「懐かしい物を……」


これは【光源】の魔皮紙だ。

初心者の冒険者は焚き火をしないで此方の魔皮紙を使用する。


「私達がまったくお金が無かった時、みんなで買うか迷ってた魔皮紙だ」


「あぁ、結局最後はルコさんが「悩むのめんどくせぇ買ってくる!」って言って買ってきた魔皮紙だよな」


「そうだ、私のお守りさ」


「これのおかげで夜も動ける様になって前より断然食っていける額稼げる様になったもんな」


「そう考えるとルコの判断は正しかったって事だ」


「でもルコさん普通に「夜は眠てぇ」っつってテントはって寝る事が多かったけどな」


「そう言うクロも時々ルコにあやかって寝てた」


「あ?オリバもだろうが!てかキーさん!」


「ん?なんだ?」


「てめーのいつもイビキうるせーんだよ!」


「え!?」


「それには同意……」


「オリバまで!?」


ど、どうやら私のイビキはうるさい様だ……王宮では私に言ってくれる人居なかったから我慢していたのか?



「そういや、お前らまさかあの時寝てる俺の胸とかどさくさに紛れて触ってないだろうな?」


「「絶対にない」」



「はぁ?むしろ触れや!ゴラァ!」



ちなみにクロエに関しては恋愛感情など皆無。

普通に男として接してるようなものだ。

俺達全員クロエが裸で寝てても気にせず寝るだろう。


「そんなことより」


「そんなことより!?」


「ルコの件だが」


「……あぁ」


「どう思う?」


「…………ありゃ、『呪い』だ」


「やはりか」


全員一致で考えていること、それはルコサが『呪い』にかかってるのではないかと言う考えだ。


「怪しいのは言ってたがどこかの教会だろうよ」


「あぁ……だがルコは腐ってもエメラルド冒険者……それを呪いにかけると言うとかなりの手練れの者だろう」


「あの隠し部屋はどう説明つく?」


「あれは一種の暗号の様な物だろうな、事実、あの隠し部屋の文字を見た後はルコは久しぶりに会った私達を放っておいてまで目的地に行こうとしていた」


「無意識に壁画の指示を読み取って目的地へ急ぐ……呪いの初歩的な行動だな」




__その時だった!



「!」


「!……」


「あ!?」


自然が激動し、轟音が大地に響き渡るのを感じ取り全員が警戒態勢に入る。


これまでの経験上【何か悪い予感】を全員察知したのだ!



「なん__……お、おい」


クロエが柄にも無く何かを見つけ目を見開き指を指す。


「!?」


「なんだ!あれは!」


その先には半ば崩れ落ちた山々の隙間から、まるで異次元から現れたようなとてつもない大きさの魔物の影が広がっていた。


「な、なんだあれは……でかい」


この距離で見上げるほどの巨体!

あんなものを見たことがない!


「キーさん!もしかしてだけどあの山って」


「あぁ、ルコが向かった山だ!」


「あいつ!また何かいじってやらかしたか!?」


「待て!いくらあいつでも今まで本当にヤバいものは触れなかった!あいつにとってもこれは想定外と捉えるのがいい!つまり!」


ルコサのピンチだ!と言おうとしたがそれを聞く前にクロエとオリバルが走り出すが私はそれを回り込んで止める。


「なんで止めんだよ!殺すぞ!」


「何のつもりだ?キーくん……」


「落ち着け!あのデカさ、正体も解らない状況で行っても何が出来るわけじゃない!ここは、俺が女王に知らせる」


「そんな言ってる場合かよ!ルコさんが死ぬかもしれないんだぞ!」


「かといって俺達が死んだら意味ないだろ!」


「ぐっ……」


そう言われて黙るクロエ。


私は連絡手段の【緊急通信魔皮紙】に魔力を注ぎ込む、すると魔皮紙が空中に浮き映像が映し出され女王の部屋に繋がった。


現在はクロエ達が国王が変わっているのを知らず、不思議だろうがここは構っていられない!



{あなたがこの魔皮紙を使うなんてよほどの事ね、何があったの?}



「サクラ様!緊急事態です、現在クバル村跡地を調査していたのですがこれを見てください」


私はそう言って映像を『何か』に向けて女王に見せた。


{これは……至急クバル村の転移ポータルを起動しなさい!まだギルドの中は魔力があれば機能するはず!それが出来なければ近くの《スロー村》のギルドへ!緊急で冒険者達やその他補給の商人、ギルド員などを配置します!}


「解りました」


そこまでいってモニターから魔皮紙に戻る。

今頃は城で緊急事態宣言が出されているだろう。


「二人とも、急ですまないがそう言うことだ」


「やけに話がスムーズだったな?」


「こういう未確認の危険な生命体が出現したパターンの時もどの様に動くか日頃鍛えられている」


「ご苦労なこった」


「お前達の気持ちも解る……私もルコの事が心配だ、だからこそ、今の自分の肩書きを友の為に存分に使う!」


「!」


「ほーん!そう言うことか!やるじゃねーか!そう言う事なら話は別だ!」


「ありがとう!私は《クバル村》のギルドに行ってみる!二人は《スロー村》にこの事を伝えてくれ!もしも転移ポータルが発動しなかったら私もそちらにいく!」


「オリバ!行くぞ!」


「了解……」


二人は装備についてる魔法で最大限身体を強化して全速力で《スロー村》のある方向へ向かっていき数秒で見えなくなる。





「私も久しぶりに全速力だ!」




来るべき決戦のために私は人の居なくなったクバル村のギルドへ向かった。





異世界転生したら女になった!?

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