TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する


幸いクバル村の小さなギルドは転移ポータルが稼働可能であり、冒険者達が転移して来ていた。


王宮からは転移ポータルがないので親衛隊は近くの《クインズタウン》まで馬車で移動し、そこからギルドを通して此方へ来る。


しばらくは冒険者達であの化け物を対処するしかない。



経験の浅いゴールド以下の冒険者にはギルドの手伝いやプラチナ以上の冒険者のテント張りなど手伝い回ってもらっていた。


「みなさん、急な呼びかけに来てもらい、大変感謝しております」


そして、このギルド会議室にはダイヤモンドから上のパーティー各員とプラチナパーティーの代表に来てもらっている。


「冒険者もまだまだ来ていますがそろそろ作戦を練ろうと思います、申し遅れました、私はグリード王国の代表騎士のキールという者です」


私の肩書きを公表すると様々な反応が見える。



「あれが噂の……」


「まだ若いのぅ」


「写真でみるよりイケメンじゃなーい」


別に自慢したいたわけでもないからアレだが、ここまで知名度がないと少し名前を広めても良いのではないかと思ってしまう。


「国王からの伝言を預かっている」


サクラ女王から送られてきた魔皮紙に魔力を流す。

するとそこには死んだはずの国王の姿が映し出された。



当然、国王ではなく変身魔法を使ったサクラ女王である。



{諸君、緊急にも関わらずここまで集まっていただき感謝する。【あれ】についてだが、調査した結果、古来、勇者が倒したとされていた【クリスタルドラゴン】であることが確認された}


「!?」


そう言われ私も驚き、周りの冒険者も同じ反応を示す。


それもそうだ、クリスタルドラゴン。


グリード王国でもその名は有名で子供の絵本にでも出てくる伝説の魔物である。

その話では勇者が苦難の末に倒した事になっているのだが……


{みなの言いたい事は解る……だが、現実としてそこに存在するのだ、王国は正式に【クリスタルドラゴンの討伐】を依頼する。報酬は2億、それは活躍したパーティー全員だ}


「「「うおおおおおおおおおおおお!」」」


巨額な報酬に冒険者はみんな歓喜する。


2億……それだけあればこれから先、お金に困る事は無いだろう。


{伝説の話など蓋を開けばこんなものだ、勇者は倒して居なかった……だがそんな事よりも勇者とはなんだ?特別に産まれた存在か?否!勇者とは実績!その相手にクリスタルドラゴンは相応しい!!みなの活躍、期待しておるぞ}


映像は魔皮紙に戻りヒラヒラと宙を舞って私の胸ポケットへと入って行った。





冒険者達はまだ有頂天に騒いでいる……さて、この騒ぎをどう止めようか。





「静粛に!」




少し威圧的だっただろうか……



「ごほん……みなさんが最初にする事はこの魔皮紙をクリスタルドラゴン付近の木々や岩にありったけ貼り付ける事です」


これは街や村などで使われている【結界】の魔皮紙。


普段ならば、魔物が外から入ってくるのを阻止する能力があるが、今回に関しては中から外に行かせない為の物だ。


範囲が山一つなので効果はかなり低減するが、何重にも結界を強化をすれば効果はあるだろう。


逆にこれがクリスタルドラゴンに壊されればタイムアップ……あの化物が野に放たれる事になる。



現在、クリスタルドラゴンは全く動く気配を見せない。


助かっているが……これが不幸の訪れる予兆じゃない事を祈るばかりだ。



「現在、エメラルド冒険者2人が先行してポータルを設置してくれる様に動いている、私が合図をするまでは絶対にクリスタルドラゴンを刺激するな、もしもこの命令を破った者が居たら報告してくれ」


そんな奴が居るのなら私の権限で冒険者は剥奪してやる。



「それからプラチナ冒険者は原則としてダイヤモンド以上のパーティーと行動すること」


「あん?代表騎士さんよ、なんでだよ?」


説明の最中に歳が40歳くらいの屈強な冒険者が反論してきた、こいつは……この前、居酒屋で私に絡んできた奴の近くに居たな。


「それは__」


「それは単純にお前らが弱いからだ」


「あ?」


こちらが答える前にルビークラスの冒険者が答えた。


「当り前だろう?お前らはつい最近まで山菜取りが主な依頼だったんだぞ?そんな奴らが戦闘に参加したところで足手まといなんだよ」


「てめぇ!」


男は胸倉をつかもうとするが軽く片手であしらわれる。


「いいか?この程度の人間ですら何もできないやつが伝説の魔物相手にどう戦うって言うんだよ」


まったく……


「私が悪かった、良いだろう……君たちには君たちの動きがある。結界が発動した後は好きに動いてくれて構わない……以上だ、解散」




やはり冒険者達では統率は取れそうにないな、

ここまで来ると中途半端な力をつけてない分ゴールド冒険者達の方が結束力が高い。



「さて……」


私はもう一つの魔皮紙に魔力を流す。


「そっちはどうだ?」


「あーキーさんか!こっちは順調!ただ気になることがいくつか見つけた」


クロエとオリバルに繋がる通信魔皮紙だ。


「気になること?」


「それはこっちに来た時に話す、1時間後にポータルを開くからキーさんは俺たちの拠点に物資を補給しとけ!じゃあな!」


切れた……かなり興奮しているな、足元を掬われなければいいが……



「それにしても、気になること……か……」







正直これ以上問題は嫌なんだが……

















異世界転生したら女になった!?

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

148

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚