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《きょうと神社自治会。》第2話
『金閣寺、まぶしすぎて修学旅行が止まる。』
朝の京都。
今日は「修学旅行シーズンまっただ中」。
自治会もその対応でバタバタしている——はずだったのだが。
八坂
「なぁ!!!なんか外めっちゃ騒がしくない!?歓声とか黄色い声とか聞こえるけど!!」
清水寺
「八坂、声でかいで。……てか、ほんまに外うるさいなぁ…、なんかやってんのか?」
伏見稲荷
「ねぇ僕さっき廊下で女子高生に追いかけられたけどッッ何が起きてるの!?」
銀閣寺
「ん〜……光がすごい……まぶしくて目が開かない……」
平安神宮
「……嫌な予感しかしませんね。」
自治会の扉が——
ガチャ。
金閣寺
「やっほぉ☆ 今日も僕絶好調!!
修学旅行の子たちに『光の貴公子』って呼ばれちゃってさぁ〜☆」
全員
『お前のせいやった!!!』
清水寺
「金閣ッッ!!!アンタ人集めすぎや!!修学旅行生で門前通行止めになっとったでッッ!?」
八坂
「逆走で走ってきた女子高生12人に轢かれかけたんやぞッッ」
伏見稲荷
「ぼく、安全な影に隠れるの大変だったよッッ!!」
金閣寺
「いやぁ〜、人気者ってつらいよねぇ☆
“まぶしい!神々しい!写真撮ってください!”って囲まれちゃってさぁ☆」
銀閣寺
「……それ自慢じゃん。」
次の瞬間外から…
「金閣さまぁぁぁ!!!」
「どこ!?どこ!?」
「写真撮らせて〜!!」
八坂
「!?な、なんか人数増えてない!?え”ッッちょ、100人くらいおらん!?」
清水寺
「金閣お前GPSでも付けられとんのか!!?」
金閣寺
「だってぇ〜、僕が光ってたらみんな集まっちゃうでしょ☆?」
伏見稲荷
「……え光源?」
銀閣寺
「金閣が灯台みたいになってる……」
平安神宮
「……これは業務妨害と判断します。」
金閣寺
「へっ!?業務妨害!?僕がっ!?輝きすぎただけじゃん!!☆」
平安神宮
「…金閣殿、“光度5%モード”を発動願います。」
金閣寺
「5%!?!?
それただの“影のあるイケメン”じゃん!!僕の最大の武器が!!」
清水寺
「いいから!!外の修学旅行生、自治会の玄関占拠してんねん!!」
八坂
「急げ!!押し寄せてくる!!津波みたいに!!」
伏見稲荷
「僕もう隠れる場所ない!!」
銀閣寺
「(半目)……早くして……まぶしい……」
しぶしぶ光度を下げる金閣寺。
金閣寺
「……うぅ……僕の輝き……☆」
すると外の声が——
修学旅行生
「あれ!?光が減った!?どこ行った!?」
「迷った!誰か地図見て!!」
「京都むずかしいー!!」
平安神宮
「……よし、散りましたね。無事です。」
金閣寺
「いやぁ〜、今日も人気すぎて困っちゃったな〜☆」
清水寺
「反省してへんやろ!!!」
八坂
「次光度上げたら、今度こそ本気で止めるで!!」
伏見稲荷
「あ”ーもう僕影の中で暮らしたいよ”…」
銀閣寺
「……金閣は…もう少し静かに輝いてほしいなぁ……」
平安神宮
「……次回から、金閣殿には“光度管理表”を提出していただきますね。」
金閣寺
「そんなものまで!?僕、アーティストなんだけど!?☆」
——京都は今日も少しだけまぶしい。