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「あんなぁ、あんたの好きな先輩、
あんたのこと好きやで。うち今回参加するJKベアーのことは全員きっちりみっちり
調べたんや。」
コォジロォちゃんvsモミジちゃんの試合が
はじまった途端、モミジちゃんは言いました。
「ガウガウガウガウッッッ!!!!!!!!!!」
炎を纏った生命持つ鉄球シィトンの恐ろしく速い多重攻撃を捌きながらコォジロォちゃんは話を聞きます。
「なっっっ!!???」
コォジロォちゃん、顔を真っ赤にしました。
乙女ですね、ですが隙だらけです。
「ガァウウウウウウッッッ!!!!!!!!!」
コォジロォちゃんの横腹をモミジちゃんの
愛刀シィトンが思い切りどつきました。
「ガァッ!!!?????」
コォジロォちゃん激しく吹き飛び体育館の
壁に思い切りぶつかってしまいます。
これだけの衝撃を食らえばこの体育館は
ぶっ壊れてしまうはずです。
ご安心ください。この大会の主催者である
ギンジローちゃんが能力でなんとかしてくれてます。
さて、コォジロォちゃんはというと……
あらら、鎖骨と肋骨の半分と右肺がつぶれ、
口から血を垂れ流し、左腕が粉砕骨折しております。
しかも熱々の鉄球に当たったことで大火傷を
負ってます。
これは重症ですね、 人間なら死んでます。
ですが彼女はクマなのでセーフです。
それにしても、何故彼女はシィトンを
準々決勝の時のように小さくしてしまわなかったのでしょうか?
やらなかったのではありません。
出来ないのですなぜならシィトンは
生き物だから。
そこら辺コォジロォちゃんはまだまだ
頭が固いですねぇ。
そのせいでただ今絶対絶命の大ピンチです。
燃え盛るシィトンが涎を垂らし
トドメを刺そうとします。
「せん…..ぱい…..。」
そう言うとコォジロォちゃんが消えました。
「ガゥッ!!??」
シィトンがびっくりして目を大きく開けています。
かわいいですね。
そして、コォジロォちゃんが全身ボロボロにもかかわらずものすごい速さでモミジちゃんの背後をとり鬼気迫る顔でモミジちゃんの後頭部に愛刀ツバメを振り下ろしました。
モミジちゃん、これをひらりとかわしながら
コォジロォちゃんを上に蹴りあげました。
コォジロォちゃんが体育館の天井に
バレーボールのように突っ込んでいきました。
死んだんじゃないでしょうか?
いいえ、死んでません。なぜならコォジロォちゃんはクマだからです。
コォジロォちゃんが落ちてきました。
「ガルルルルルル……..!!!!!!」
なんということでしょう。コォジロォちゃんが全快服して四本足でモミジちゃんを威嚇しているではありませんか。
ギンジローちゃんが気を効かせて彼女を
回復させたのでしょうか?
いいえ、ギンジローちゃんはそんな甘えは
許しません。
これはコォジロォちゃん自身の力です。
コォジロォちゃんは 《肉体をわからせる能力》で身体を全快服させました。
驚くようなことでもありません。
「肉体をわからせる能力」を覚えるのは
この世界のクマにとって算数の足し算引き算より簡単なことなのだから。
つまりこの百人斬一首は相手のどちらが
頭を刀で打つまでは下半身を吹き飛ばしても戦いは終わらないわけです。
人間さんも早く肉体をわからせて不死身に
なればいいのに。
なんで刀や銃のような美しいものが作れて
こんな簡単なことができないのか
不思議で不思議で仕方ありません。
さて、両者にらみあいました。
モミジの愛刀シィトン君もガルルルルルルと
唸っております。
モミジが口を開きました。
「シィトン、おすわり。」
そういうとシィトンがただの鉄球に戻りゴトッと床に落ちました。
モミジちゃんが口を開きます。
「…..うちの片思いしとるケモノは学校の先生 やねん。 しかも人間さんで、嫁さんもいて、娘さんが三人おる。スリーアウトやん。チェンジやん。」
大胆な告白は女の子の《特権》。
彼女のボルテージが最高潮まで爆上がります。
「やからウチは優勝し、アイツら全員まとめてペットとして飼う。」
「あたしは先輩に告白するッッ!!!!!!!!!!!」
コォジロォちゃんも吼え、力を漲らせます。
どうやら気持ちの強さは互角のようです。
両者、構えたまま一歩も動きません。
相手の出方を伺っているようです。
モミジちゃん、吼えました。
「最終奥義…….《唐紅》!!!!!!!!!!!!!!!!!」
すさまじい咆哮、私は思わずわからされかけました。
そしてモミジちゃんの身体に紅葉のような
紋様が浮かびあがります。
体育館にも紅葉のような葉っぱがヒラヒラ
舞います。
どうやらモミジちゃん、限界まで身体をわからせて、更に場をわからせたようですね。
これだけの力、余裕でわからせ団の幹部が
狙えます。
少なくとも元幹部のカニドーラクなら秒で
わからせられます。
あるいは、この世界で一番強い生物、カムイちゃんにも届きうる逸材ですね。
やっぱりいいですねぇ、若いってのは。
しかしここまでの無茶、相当肉体と精神に
相当限界がきていますねぇ。
私の見立てだと、どうやら活動限界は
3分のようですね。
さぁ、どうなるか見物です。
「シィトン!!!!合体!!!!!」
「ガウガウガウゥゥゥ!!!!!!!!!!」
シィトンが合体し紅葉ちゃんの一部となり
爪と骨を補強しました。紅葉ちゃんから
鬼のような角がでます。
これでモミジちゃんの愛刀シィトンは身体の一部となり、頭突き、手、足で
相手の頭を打てば有効となりモミジちゃんの勝ちが確定します。
モミジちゃんが吸い、息を吐きました。
すさまじい集中力です。会場が静まりかえりました。
モミジちゃん、視界から消えました。
何が起こっているのでしょうか、私には
わかりません。
わかるのは時々見えるモミジちゃんの残像と
飛び散る火花、それをとてつもない速さで
捌き続けるコォジロォちゃんだけですね。
コォジロォちゃん、モミジちゃんが速すぎて
一歩も動けません。
「貰ったァ!!!!!!!」
モミジちゃん、叫びます。
モミジちゃんの爪はしっかりコォジロォちゃんをとらえております。
勝負あったか。
「ツバメ二連撃!!!!!!!!!!!!」
コォジロォちゃん、そう叫びながら足の愛刀ツバメと頭に仕込んでいた愛刀ツバメを一瞬で伸ばしました 。
コォジロォちゃんの愛刀ツバメは、
モミジちゃんの愛刀シィトンでできた爪よりも、わずかに、ホントにわずか早く。
モミジちゃんの頭を打ちました。
勝負あり、コォジロォちゃんの勝ちです。
「やった…?…やった!!!!勝った…..勝ったァ
……..!!!!!」
そう喜ぶのはモミジちゃん、モミジちゃんは
まだ自分が負けたことに気づいておりません。
コォジロォちゃんは鋭い目をし、残心を
しております。
「へ…?…え……..うそやんウチ….負けたん……?」
鉄球に戻ったシィトンが
申し訳なさそうに涙目でモミジちゃんを
見ます。
モミジちゃんの目から一筋、涙が零れます。
「いやや…..いややぁ……先生…..先….。」
モミジちゃん倒れました。
力を使い果たしたのでしょう。
場に散っていた紅葉が、スゥゥゥッと消えて
ゆきます。
「先…..ぱ…..い……。」
コォジロォちゃんも倒れました。
お互い、どちらが勝ってもおかしくない
死合いでした。
紅葉ちゃんはその後、先生の恋をどうにかこうにかして諦め、 動物病院のお医者さんになるための勉強を 始めました。
がんばれモミジちゃん。
私ハヤミーンシロクマカムイはモミジちゃんの 人生を応援します。
そして百人斬一首、対戦相手のポリスちゃんを 秒でわからせ、勝ち上がったムザシちゃんと コォジロォちゃんの最終決戦です。