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マシュ菊、菊マシュ
⚠マシューが妖精的な
⚠腐表現❌
⚠マシューがショタとおにの中間
⚠短い。かなり
『そこのお兄さん、止まって』
1人の金髪の少年が私を止めた。
宝石のような紫色の瞳に、手入れされた癖のある金髪だった。
時計塔は午後8時を指している。
暑い夏祭りは、そろそろ終わりを迎える頃。
盆踊り、一列に並んだ屋台は、もう見れない。
「ええ、どうしたのですか。」
『ついてきてよ』
そう手を掴まれ、強引に引っ張られた。
私よりずっと小さな手、細く白かった。
「お名前はなんですか?」
『マシューだよ。日本の祭りに興味があって、今日カナダから来たんだ』
静かに微笑む横顔は、カナダ人特有の美しさがあった。
揺れる金髪と輝く瞳を、ただ私は見つめる。
数分経っただろうか。
遠い空から、僅かに、光る炎のようなものが見えた。
それは、何色にも光っていて、見る人を惹き付ける。
急に、マシューくんが口を開いた。
『もう着くよ、菊さん』
マシューくんが知らないはずの私の名前を、口に出した。
「なぜ私の名前を知って…」
そう問いかけても、反応はない。
視界いっぱいに広がる火の花は、ひどく素敵で、「いつまでも見ていたい」と人の心を輝かせた。
『ね、綺麗でしょ』
そう私に問いかけるマシューくんが、何よりも一番綺麗だった。
「はい。マシューくん、とても綺麗ですよ」
花火は終わり、帰ろうと思い隣のマシューくんに話しかけようと思えば、マシューくんはそこには居なかった。
だが、マシューくんにとても似た、一輪のサトウカエデが、そっと置かれていた。