青空、、
雲一つ無い綺麗な空だ
そう云えば、この前太宰には迷惑かけたなぁ
謝らないと
あ、もう探偵社に着いちゃった
ガチャ
『おはよー』
「おはよう御座います、乱歩さん」
あれ、太宰が僕より早く探偵社に来てるのは稀有(けう)だな
理由聞いてみようかな
でも、この間の件で気まずいからなぁ、、
「私が早くに着いているのは稀有、と考えていますよね?」
「今日は早朝に起きてしまい、それ以降は寝れなかったのでですね、早くに探偵社に来たのです」
『説明ありがと』
説明を自分からしてくれたのは嬉しい
だが、何故今、僕が考えている事が判ったのか、聞く勇気は無い──
乱歩さんが漸く来てくれた
実は、先程探偵社の扉が開いた瞬間に
乱歩さんの匂いがしたので既に判ってはいたが、
それでも嬉しくて叫びそうになるをグッと堪えていた
この前の事を引きずっていたのだろうか
私に話しかける様な素振りは見せない
それもそのはず
まだあの時は混乱していたのだから、幼稚な発言をしてしまったのだろう
でも、あの時の顔を写真に残しておきたかった、、、
そこだけは後悔している
──今太宰変な事考えたでしょ
嗚呼、今にもそんな声が聞こえてきそうだ
いつの間にか私は冷や汗をかいていた
絶対に太宰、変な事考えたな
僕の勘が告げる
だが、太宰の顔を見れば直ぐに判る事だ
だって、ニヤニヤしてるんだもん
ニヤニヤするのは必ず変な事を考えていると云う謎の法則がある
しっかし、顔に出すぎだな
もうちょい抑えられるだろ
と、考えている内に太宰が消えた
『あれ、太宰~?』
『どこ行ったんだよ』
「私は此処にいますよ」
ビクンッ
後ろから太宰の声が聴こえる
その声に僕は驚いてしまった
そう、太宰がいたのは僕の椅子の後ろだ
『何でそんなとこに居るんだよ⁉︎』
「乱歩さんの可愛い姿を見たいからです」
『…理由になってない』
「だって、私は乱歩さんのことが好きですから」
『!、はぁ⁉︎、莫迦じゃない?//』
あ
まずい
云ってしまった
本人に
どうしよう
いや、待てよ?
これはこれで良いぞ
恥ずかしがっている乱歩さんも良い
私の乱歩さんコレクションに加えるとしよう
は?太宰が?僕を?
──僕のことを、、?
『嘘だ–』
──ドンッ
太宰が壁ドンしてきた
そのはずみで僕の帽子が落ちた
「嘘じゃないです」
「判ってください」
『え、』
いつの間にか僕は太宰に怯えていた
恐る恐る太宰の目を見ると、
漆黒に染まっていた
『は、なして』
恐怖の末、出てきた言葉が此れ
「厭です」
『怖いよ太宰』
「怖くないですよ」
「乱歩さん、一つお願いがあります、私と共に心中して下さい」
ニッコニコの笑顔で太宰が云う
頭がついに壊れたか
そう、思った
『…否、他の美女とやれば?』
「乱歩さんじゃないと厭です」
子供だなぁ
僕じゃない方が良いのに、、
『…駄目』
「えー」
『うん、駄目…まだ、ね』
と云って僕は太宰の腕の間を抜ける
「え?まだって…どう云う事ですか⁉︎」
後ろから太宰の声が聴こえてくる
だけど、僕は振り向きはしない
「え、ちょ、乱歩さ~ん??」
ガチャ
探偵社の扉を開ける
──仕事に行こう
扉が閉まる間際、僕は太宰に
『莫迦…///』
と顔を赤らめながら云った
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