テラーノベル
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あなたは人魚だった
泳ぎが得意で
歌が上手で
まるで海の女神だった
何かの間違いで
地上に出てしまった女神様
あなたの泳ぐ姿は
あるはずのない尾びれが見えた
長い髪を靡かせ
美しい横顔で
僕の心を魅了した
泳ぐあなたは
自由で生き生きしていた
地上などという限られた世界は
あなたには狭すぎたのだろう
泡沫のようなあなたは
ある日 夜の海に飛び込んで
そのまま泡になって消えた
僕があなたを見つけたのは
太陽が水面に反射する朝
冷えきった砂浜の上だった
コメント
4件
今回もめちゃくちゃ良かったです!!!! 語り手は泳ぎや歌が上手な貴方の事を 人魚や海の女神様の様に見える様ですね… 恐らく尾びれがある様に見えた貴方は より一層、綺麗だったのでしょう… しかし貴方は夜の海に飛び込み、 泡になって消えてしまった… それを語り手はどう思うのでしょうか…? 貴方が消えてしまった事を 悲しいと思うのでしょうか…? それとも貴方は帰るべき場所へ帰ったと 思うのでしょうか…?
いやあ、第135話「泡」、素晴らしかったです。この物語、人魚姫の現代的な再解釈でありながら“女神”という呼称で神話性を帯びさせているのが巧い。特に「あるはずのない尾びれが見えた」という一文、妄想と現実の境界が溶ける瞬間の描き方が好きです。そして最後、朝の冷えた砂浜で見つける――泡になる前の姿を発見する構図、喪失感が静かに沁みます。続きが気になる終わり方でしたね。