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「お母さん、私が絶対に無実を証明してみせる。」

その一言で、母と離れ離れになった。私は母のため、APEXゲームに来た。

「今日のマッチは、色々ありがとね。」

「ああ、いいのさ。今後の活躍も期待してるよ。新人さん。」

「うん!……あ、ヒューズおじさん!」

「お、嬢ちゃん。最高の戦いだったな。最初は大丈夫かと思ったが、あんたが活躍できて良かったぞ。」

「こちらこそありがとう!これからも1レジェンドとして宜しく!」

「ああ、よろしくな。」

この2人は、初めてのマッチで一緒になった人達。凄い良い人で、真面目で、そしてとても面白い!

「おーい、あんたたち〜」

高すぎず低すぎない聞いたことがある声が聞こえた。ライフラインだ!

「どうしたの〜ライフライン?」

「あら、ヴァンテージ!そうそう今日ね、ミラージュが新レジェンドが来たからお祝いでパーティを開くらしいの!」

「そうなの?私来ていいの?」

「もっちろんよ!2人も来るわよね?」

「ああ、行くぜ。」「もちろん行くさ。」

「よっし、決まり!じゃあまた夜ね!」

そう言ってウィットの所へ早歩きしていく。仲がいいんだなぁ。




そして夜、ラウンジから細い通路を通って下へ降りる。長い長い階段を降りると、そこにはウィットのバーがあった。

中に入ると、もう結構な人がいた。私はとある不安を抱えてた。端っこを通りつつ1番目立たない席に座る。まだ誰にもバレてない。


「私が未成年って知ったら皆がっかりするだろうな…せっかくパーティを開いてくれたのに…」

バーにはたくさんお酒があった。私はこれらを飲めない。未成年だから。

「はぁー…」

そう深い溜息をつくと、後ろから突然囁き声がした。

「よぉ、新入りさん。どうしたんだ?」

びっくりして叫びそうになる。それがわかっていたのか、その人は私の口を抑える。

落ち着いた私を見て、彼は隣に座る。

「大勢が苦手なのか?それとも他になにか?」

「わ、わた、私…」

恥ずかしさと心配で声が震える。テーブルに乗っている私の手を彼の手が握る。

「良いぜ。なんでも言ってくれ。」

「わた、私…未成年なんだ……だから…!みんなみたいにお酒が飲めなくて…皆をガッカリさせちゃうんじゃないかって…!」

悩んでたことが全部口から彼の耳へ出ていく。彼は少し笑い、私にこういった。

「そんな事、気にしないで良いぜ。」

その優しい声に、私は惹き込まれた。こんな感情初めてだった。これを恋っていうのかな?…そんなことを考えながら私は彼を見つめる。

緑のゴーグルの先にある瞳。すごく綺麗だった。

「好きな果物なんかあるか?」

「…え?…グレープフルーツ…かな。」

「わかった。ちょっと待っててな。」

そう言って彼の手は離れていった。彼が行った先には皆がいた。みんなには私の未成年の事言わないでー!

「あれ、シルバ。遅かったわね。」

「ん?あ〜…ちょっとな。色々。」

「まだヴァンテージが来てないのよ。今日の主役はあの子なのにね。」

「そうなんだな。じゃあ、気長に待つか。」

私のことは言わないでくれるらしい。でも、彼まで私の事見ないフリするの?なんだか寂しいな…

「おーいウィット。ちょっとここ借りるぜ。」

「借りる前に言ってくれ!まぁ、良いけどよ。」

彼はウィットに話しかけた。何をするんだろう。

「なぁ、グレープフルーツあるか?」

「あるぞ、そこの1番上の段だ。」

「おっ、サンキュー。」

「なんだ、それで割るのか?」

「ちげーよw飲んでみてーだけ。」

彼は果物を手に持ち、搾っている。果汁100%に水を入れて…何してるのかな?

「……すっぺ!」

「なんだよ、大丈夫かオクタン?」

「大丈夫だwちょっと酸っぱかっただけ。」

大きめの容器からコップについで満足そうな顔でこっちに向かってくる。もしかして…

「よう、これなら飲めるか?」

薄ピンクの液体に氷の輝きが目立つ。彼なりの…ジュースなんだろうな。

「ありが…とう。」

まさかここまでやってくれると思わず、声が小さくなった。

「いいんだよ。」

私はその飲み物を口にする。少し酸味のある、甘酸っぱい美味しさ。

「行こうぜ。皆のとこに。」

「え、でも!」

「いいんだ。軽く収めてやるよ。」

コップを持ってない左手を彼に掴まれる。氷がカランと音をたてる。

「あれ…ヴァンテージじゃない!ちょっと、シルバ。彼女に何をしたの!?」

「おーうおう。なんもしてないぜ。あと、皆に言うことがある。」

「何よ、真剣そうね。」

「こいつは未成年だ。酒が飲めないことで皆を悲しませると思って、ずっと奥で座ってた。」

「…え!?」

嫌だ。反応が怖い。

「そうだったのね…ごめんなさいヴァンテージ。知らなかった。聞けば良かったわね。」

そういったライフラインは私の左手をにぎる。彼と交代して。そして彼の方を見る。よく見ると、彼は私に向かってウインクした。

あの瞳、声、そして優しさ。私は彼に惹かれていった。

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