コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
その魔力は、理論の答えを示すものではなく、ただ**「*絶対的な安心感*」**を与えるためのものだった。
六葉は、体が温かくなるのを感じた。
そして、その魔力のかけらが、隷の幼い日の誓約を示す冷傷の魔力と、同じ周波数であることを察知した。
(この魔力は、**『*お前を傷つける魔力じゃない*』**っていうメッセージだ…!)
六葉は、すぐに笑顔になり、隷の冷酷な背中に向かって、深々と頭を下げた。
「はい!隷様のおっしゃる通りです!ご指導、ありがとうございました!」
隷は六葉の感謝の言葉に動揺し、廊下の角を曲がる際、誰も見ていないだろうと油断し、無意識に、右手の親指を、口元に寄せ、軽く唇を撫でるという、幼い日の癖を晒してしまった。
彼のギャップはもはや理性を超えた、本能的な「*本心*」へと変化していた。
六葉はその仕草が彼が心を許した時のサインであることを見抜き、心の中で小さく微笑んだ。
彼の冷酷な仮面は、六葉の光によって、毎日少しずつ溶かされ続けていた。