テラーノベル
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芙月みひろ
92
#王子
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十一月下旬。空から舞い落ちる、白い小さな物体。それはきらめく初雪――ではなく、無慈悲な「塩」だった。
「二度と実家の敷居をまたぐんじゃねえ! この、マヌケ息子がッ!」
背後から響くのは、親父の怒号。 そして母さんは「盛り塩」どころではない分量の塩を、僕たちにぶちまけた。
バサッ、という乾いた音と共に、至近距離から放たれた「お清め(物理)」が僕と白石さんの上半身にクリーンヒットする。寒空の下、僕たちは頭から塩をかぶった状態で、路地に立ち尽くすことになった。
僕は、家業の定休日に合わせて、実家を訪問したことを激しく後悔していた。