テラーノベル
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第一話
獄熊
「目標、三時の地点! 御厨くん!……あ、れ? 御厨くん?」
「きゃー! 助けて、綺ちゃーん! また、あたしばかり襲ってくるのー!」
「早乙女さん! 僕が御厨くんを助けるから、椥辻さんの方をお願い!」
「ありがとう、皇刃くん! 御厨くんをお願い……。椥辻さん! どこ? 椥辻さん!」
――――ズドンッ!
「いっやー! 今日のうちのルールーは、いい仕事したで。……あ? どないしてん? そんなマヌケズラしよってからに、綺」
「……な、椥辻さん……その手にしてる首は……な、に?」
「あー、これか? これはな、獄熊やな。どや? すごいやろ」
頭を抱え、彼女の手にしている首を眺める。
……まだ幼体よね。
あの大きさ……。
て、ことは……。
「椥辻さん……親は? ちゃんと親も始末したんでしょうね?」
「親はおらんかったなぁ。どこ行ってんのやろ」
御厨くんを助け、手当てをしていた皇刃くんの手が止まる。
「ご、獄熊って……親子か夫婦で行動する、よね……」
――――ズゥゥン。
とてつもなく重たい音が響いた。
その音は、ゆっくりとこちらへ近づいてくる。
「ね、これ……やばいんじゃないの? ……椿希ちゃんが狩った子の親……なんじゃ……」
「この揺れと音……かなりの巨体だ……。早く逃げよう!」
みんな急いで逃走準備に入った。
だが――
「グワァァァー!」
「!! っな、に……この大きさ……うそでしょ……」
そこに現れた獄熊は、小山一つ分はあろうという大きさだった。
大きく口を開けると、光る球体が作り出される。
「はぁー!? SSRやんけ!」
みんなが殺られる!!
そう思った時だった。
――――ズガンッ!
獄熊の腹に大きな穴が開き、仰向けに倒れた。
「……終わったぁ? ふぁ、ぁー……眠いから早く帰ろ」
「み、神剣くん……」
眠そうに欠伸をした彼は、何事もなかったかのように背を向け、車へと戻っていった。
また、あんな大技を無詠唱、ノーモーションで……。
なんなのよ!! あいつは!!
コメント
1件
うわー、これは熱いバトル回でしたね!椥辻さんの「どや?すごいやろ」ってドヤ顔が目に浮かぶようで笑っちゃいました。でも幼体だけ狩って親を呼び寄せちゃうっていう展開、それが読めて良かったです。そして神剣くんの無詠唱・ノーモーションの一撃…「なんなのよ!!あいつは!!」って綺ちゃんの気持ち、すごくわかります。設定の奥行きを感じさせる伏線が散りばめられていて、続きが気になりますね!
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