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冬季限定。短編集

5 - 5 【シンside もう少しだけ…。】(ずっと隣で…ver)

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2024年10月27日

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「こんなとこで寝たら風邪ひくぞ」

風呂上りの湊がソファーに寝転ぶシンに向かって声をかける。

「もう少しだけ…」

目を瞑ったままシンが答える。

「寝るならベッドで寝ろ」

「じゃ…」

そう言って両手を広げる。

「湊さんが抱っこして連れて行ってください」

「やだよっ。つーか無理!お前デカ過ぎなんだよっ」

「ならまだここにいます…」

心配してくれているのはわかってる。でも…。

まだ…湊さんのそばにいたい…。

「勝手にしろ……」

湊はソファーの空いているスペースに腰をかける。

「おっ…と……?」

すかさずシンは湊の腰に腕をまわし抱きしめる。

湊の身体から熱が伝わってくる。

「湊さん…温かい……」

擦り寄って目を閉じる。

まわされたシンの手に湊が手を添える。

「寒いのか…?」

先に風呂に入ったシンの手は少し冷えていた。

背もたれに掛けてあるブランケットに手を伸ばしシンにかける。

「ありがとうございます…。湊さんも一緒に入りませんか?」

ブランケットの端を持ち上げ湊を誘う。

少し考えた湊は

「俺は…いいよ……」

そう断るとシンの腕を下げさせる。

理由もなくこの人は俺に甘えてはこない。

だったら甘えられる理由を作ってあげればいい…。

湊の腰を引き寄せる。

「身体冷えちゃって……温めてくれませんか…?」

そう言えばきっとこの人は……。

「…しょうがねぇ…な……」

湊は照れながら承諾する。

……断らない事を知っている。

シンの横に湊が背を向けて横になる。

ベッドより狭いソファーは密着度が高い。

落ちないように湊の身体をしっかりと抱きしめる。

温かい…。

お湯で温まった湊の身体の体温がシンの身体全体に伝わる。顔の前にある湊の髪から洗いたてのシャンプーの香りがする。

同じシャンプーを使っているはずなのに湊の髪からはまるで違う匂いがするのがいつも不思議だった。

「お風呂上がりに髪に何かつけてます?」

目の前にある湊の髪を指ですくいながら尋ねる。

「特に何もしてねぇけど…なんで?」

「いつもすごくいい匂いがするので気になってて…」

「ん…?そっかぁ?」

「いい匂いの正体は湊さんの匂い…なんですねきっと…」

「なんだそれ…」

そう言って笑った。

「好きです…湊さんの香り……」

シンは湊の髪に顔を埋める。

心地よい湊の温もりと香りに包まれる。

不意に湊がシンの方に身体を向けると、シンの髪を触る。

「俺はお前の匂いの方が…好きだけどな……」

照れる湊を抱きしめる。

「ありがとうございます……」

湊に褒められ嬉しくなった。

「なぁ…」

「…はい」

「そろそろあっち行かねぇか…ここ狭い…」

思うように身動きがとれない不自由さを訴える。

「そうですね…でも…」

そう言って湊をさらに引き寄せる。

「もう少しだけ…このままでいさせてください…」

「ったく…しゃーねぇな……」

満更でもない顔で湊は快諾した。



【あとがき】

こちらの裏タイトルは、「策士」です。笑


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コメント

4

ユーザー
ユーザー

めっちゃ最高です♡♡ 湊さんサイドも今から読みにいきます(*^^*)

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