テラーノベル
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((放課後、旧校舎裏。静かな廊下。🐰が一人、壁に背を預けている))
🐰「……なんで今になって、ハンのこと思い出してんだよ」
((手の中のスマホをぎゅっと握る))
🐰「スンミンのこと、好きなのに……“俺じゃだめなの?”って、あいつの声がずっと頭から離れねぇ」
((カツッ、と足音。🐿️が現れる))
🐿️「探した」
🐰「……ハン。なんでここに?」
🐿️「ヒョンがここ、好きだったじゃん。昔、よく一緒に来てたろ?」
🐰「……まだ覚えてんのかよ」
🐿️「忘れられるわけないじゃん。……俺、ずっとここで待ってたんだよ」
🐰「……」
🐿️「あの時、ヒョンが急に距離置いたの、すげぇ辛かった」
🐰「俺……怖かったんだ。おまえの気持ちが重くて。自分が壊れそうで」
🐿️「今は?」
🐰「今は……もう、後悔してる。あの時ちゃんと向き合えてたら、違ってたのかなって」
🐿️「だったら……今からでも、やり直せる?」
🐰「……」
🐿️「スンミンは優しいけど、ヒョンはあいつに全部見せてない気がする」
🐰「……それは」
🐿️「俺には、ちゃんと見せてくれたじゃん。弱いとこ、情けないとこ、ぐちゃぐちゃなとこ」
🐰「……やめろよ、そういう言い方すんなよ」
🐿️「ヒョンの全部、知ってるのは俺だよ」
((🐿️が一歩、近づく。🐰の目の前まで来て、小さくささやく))
🐿️「まだ俺じゃ、だめなの?」
🐰「……」
((その瞬間、角を曲がってくる足音。🐶が立ち止まる))
🐶「――ヒョン……?」
((🐶の目が、ふたりの距離と空気を一瞬で察する))
🐰「スンミン……」
🐿️「……ああ、タイミング悪かったね」
🐶「……何してたの?」
🐰「……話してただけだ」
🐶「近すぎない?“ただ”って距離じゃなかったよ」
🐰「違う、これは……」
🐶「……もういい。ヒョンが信じさせてくれなきゃ、俺だって不安になる」
🐿️「スンミン、それは――」
🐶「黙っててくれる?今は、ヒョンと話してるから」
((🐶の声は低く、冷たかった))
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