TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

「さきー!」

「ごめん、お待たせ」

「大丈夫だよー!」

彼が右手を差し出す。

私は左手で彼の右手を握る。

温かいのに何処か物足りない。

心に開いた穴を埋めてくれる人はもういない。

私の生涯でひとりの愛した人。

紗良はもういない。

何度彼女の名前を呼ぼうと返事が返ってくることは無い。

好きでもない男。

絶対に好きになるはずがないのに、彼を利用している。

もう、どうでもいい。


「ごめんね紗季ちゃん。」

「大丈夫ですよ、おばさん。」

「紗良ちゃんが亡くなったのはもう12年前か。」

「もう、そんなに経ったんですね。」

紗良のおばさんとは昔から仲良くしている。

紗良の母の姉で仲がいいそうだ。

「私の息子も12年前に亡くなったんだよ。」

「え?」

「おばさんの苗字って、」

「ん?あぁ片桐だよ」

「片桐、」

片桐 悠真

「息子さんって12年前に海で溺れて亡くなった子ですか?」

「あぁ、そうだよ」

「ち、ちなみに!紗良と息子さんって会われたことは、?」

「無いよ、元々何度誘ってもゆうまは一緒に着いて来てくれなかったからね。」

出会ったことがない。

「中学、息子さんと一緒でした」

嘘をついた。

「え?!そうなの?」

「ゆうまはおばあちゃんの家へ預けてたから。」

「そう、なんですね。」

紗良は従兄弟と、あんなことを。

「どうかした?」

「い、いえ、なんでも無いです。」

「そう?じゃあ帰ろっか」

「はい、」


ー紗良、俺達って従兄弟なのか?

そうだよー

ー前から知ってたの

うんー

ーまぁ、従兄弟とか関係ないよな

さぁ、どうだろー

ー父さんにバレたら終わりだから

おじさん?(笑)ー

ー知ってんの?

従兄弟でしょー

ーそっか

ーねぇ俺の事好き?

だから、私が好きなのは紗季だってー

何回言わせんの?ー

ーごめん、でも俺本気で紗良の事好きだから

私は好きじゃないよー

私らの関係性なんて単なるセフレでしょ?ー

ー紗良はそうかもしれないけど俺は違うよ

はいはいー

私は違うってー

私が世界で一番大好きで愛してるのは紗季だけだからー

一生変わることは無いと思うよー

ーそっかぁ、

この作品はいかがでしたか?

17

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚