『』
「そう、なんですね」
撫でていた手の動きを止めみどり君の顔をのぞき込む。
年は小学生くらいか?など考えながらジロジロと観察する。
「あ、そうそう。一応手に包帯巻いてるからね。」
レウさんは自分の右腕を指しながら言う。
右腕に巻かれている包帯を見ると肘にまで包帯が巻かれていて包帯の隙間から青い色に変色した肌が見える。
その変色した肌に若干気が引ける。
「普通は赤色とか黄色になるんだけど青色になった事例はないんだよね~」
レウさんは何処から出したか分からない本をペラペラと見ている。
「そうなんですか…」
「またちゃんと検査したら分かると思うからまだ横になってていいよ」
「いや、そんな…」
遠慮をしながら時計を見ると現在午後の五時二十分。国立記念日が始まるのは五時半だ。
「はぁ!?もうこんな時間!?」
突然の大声にみどり君がビクリと飛び起きる。レウさんも驚いて目を丸くしている。
「すいません、急に大声出して…。もう行かないと行けなくて」
急いでベットから飛び起きかけられてあった上着に手を通す。
「待って、まだ検査が…」
「すんません!」
勢いよくお辞儀をしレウさんの横をすらりと通り扉を開け勢いよく出て行く。
「あぁ!ちょっと!」
急いで扉を開け外を見るがもう姿は無かった。
「どうしようか…」
う~んと顎に手やりながら考え込む。
ドタン!
「レウさーん」
「うわあ!!!びっくりした」
後ろで大きな音がし振り向く
「なんだ、コンちゃんか…」
「あっれ~?怪我人は?」
「それがね…」
「カエッタ」
後ろを見るとベットの上に座り込んでいる。
「あら~帰っちゃったの?」
コンタミはみどり君の隣に座る
コンタミは持っていた箱から1つの瓶を取り出す。
「レウさん、さっき血液検査してたんだけど…これ」
コンタミは小さい瓶をレウさんに渡す。
「え!?待ってこれって…?」
「うん。 結構ヤバいかもしれない。あの患者。」
「嘘でしょ。早く後を追わないと!」
「俺はきょーさん呼んでくるね」
渡された瓶の中には青紫色のような色の液体が入れられていた。
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