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皐月side
朝目覚めて自分の寝所だと確認すると安堵する。
家まで帰ってこれたんだな。
遥、大丈夫かな、早く謝りたくてウズウズしてるのに、この怪我のせいで…。
血が垂れて…。あぁ、そうか、痛覚、消えたんだ。
痛みを一切感じない身体、不思議だよな…。
こうやって包丁で腕切っても分からない…。
俺は、もう長くないんだな…。
皐月『ははっ、人生詰んでるわ…。』
何で涙が出る?最初っから分かりきってたことだろ、長く生きれないって…。
あー、そっか、この町の人達と、風鈴の生徒に俺は心を許したんだ…。
でも今更どうともならない、後は俺自身が病弱になるだけ…。
病院変えてもらおう、ココから遠いとこに、きっとアイツらなら心配して来てしまう、それは避けたい、俺がここに居た事は…。
あぁ、あんな奴居たなぁって笑って話して欲しい。
俺はお前らの足枷になりたくない…。
梅宮side
梅宮「柊、話がある。」
柊「皐月の事分かったのか?」
梅宮「そうだ、皐月が両親を無くしたのも、事故にあったのも知ってるよな?」
柊「当たり前だろ。」
梅宮「皐月…、目が見えてないんだと、それに神経やられてて、痛みも分からなくなるんだと…。」
柊「…!だからあの時!」
梅宮「そうだ、俺らで皐月を守らなきゃ…、アイツはウチの命の恩人だ…、何としてでも助けたい。」
柊「そんな事言ったって、ドナーがいるんじゃねえの?」
梅宮「もし誰も居ないなら俺が!!」
柊「待て待て待て!!ドナーってのはそいつの体に適応した奴のことを言うんだ!梅宮…、お前に無理だよ。」
梅宮「…、このまま皐月は弱ってくのか…?もう一緒に居られないのか?」
柊「…、認めたくないのはわかる、でもそれは俺らには何も出来ない。」
俺は……、そんなの認めたくねぇよ、折角告白もしたのに…、これから先皐月の幸せを願ってたのに…こんなの、あんまりだろッ。
梅宮「この話は俺と柊、ことはで留めておこう、周りのヤツらには一切話すな。」
柊「んなの当たり前だろーが、こんな無神経なこと言えるわけねぇだろ。」
皐月side
この日はどうしても家から出たくなかった。
俺が俺じゃないような感じがして……。
痛みが分からなくなったら周りから化け物だと思われそうで、いつ俺が消えるか分からなくて…。
安心するはずの家が、とても怖くなった。
このまま独りで消えてしまうかもって…。
でも、動けない、動きたくない。
誰か、誰か……助けて……。