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「教授はどんな女性を美しいと思うんですか?」「そうねぇ、言葉じゃ表現し難いから、チョットこの絵を見て欲しい。」彼はイーゼルに架かった絵の白い布を外した。
シュールレアリスムで、余り良く解らないが、バーの止まり木で、漆黒のロン毛の女性がカクテルらしきもののグラスを傾けている。しかし一糸まとわずで有る。豊満な女性は満足そうな表情をして居る。
「このモデルはね、ギンザの小さいクラブの50代のママ。」「お店で実際にモデルをやったんですか?」「そう。最も服は着ていたが。どんな人間も『土台』だと言うことを表現したかった。」タイトルは「カクテルグラス」
なんとなく解った様な気がした。彼は生命力の強い女が好きだ。だからケーキを食べている私のデッサンをした。
「あなたも『いい加減』さを極めなさい。」と教授は良仔に言った。
彼にとっての『いい加減』は生命力なので有る。学生にとっての『いい加減』は、単に、「従っていない」というものを感じた。(あのバカ学生は百年経っても売れないだろう)良仔は満足気であった。