テラーノベル
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おんりーとMENの2人が恋人同士になってから数ヶ月が過ぎようとしていた。会う頻度も連絡を取り合う回数も自然と増えていた。
ある日のドズル社の撮影日。その日は、いつもに比べて賑やかだった。
コラボ企画のゲストとして人気急上昇中の若手ゲーム実況者グループが来ていた。その中でも、カケルはおんりーと同年代で明るく社交的な性格を持ち合わせており、何よりそのルックスの良さから若い女性ファンが多いことで知られていた。
MENはいつものように冗談を飛ばしながら和やかに会話をしていた。しかし、ふと視線をおんりーに向けたとき彼は少しだけ眉をひそめた。
おんりーは人見知りするタイプではないが初対面の相手には多少の緊張してる様子が多い。ところが、カケルとは何やら楽しそうに話している。
(…なんだ、あいつ…)
MENの心の中に感じたことのないモヤモヤするようか、焦燥感にも似たような感覚が生まれた。撮影中もカケルはおんりーにやたらと話しかけていた。 「おんりーさん、それどうやって作ったんですか!?」「おんりーさん、プレイスキル高すぎ!!」と終始おんりーを褒め称えていた様子だった。
おんりーもカケルの質問に素直に答えている。MENは普段感情を表に出すことはあまりない。人に気を使える性格だからこそ、場の雰囲気を壊さないように振る舞うことが得意だった。
しかし、この時ばかりは抑えきれない何かが胸の奥でざわついていた。他のメンバーもいつも通り楽しんでいる。誰もMENの心のざわつきに気づいていないようだった。
撮影が順調に終わり、片付けの時間。カケルはおんりーに近づいて笑顔で話しけている。
「おんりーさん今日めちゃくちゃ面白かったです!もっと色々教えて欲しいんで今度二人で会いませんか!」
「え、二人で?」
おんりーは心底驚いたように目を瞬かせた。MENはその様子を見て断ることを確信していた。今日初めて会って、少ししか話していない相手とおんりーが二人で会おうとするわけがない。
しかし、少しの間の後におんりーは笑顔で頷いた。
「いいよ。暇な時なら」
その言葉を聞いた瞬間MENの胸の中で何かが壊れた。普段の彼からは想像できないほど表情は固まっていた。
「おい、おんりー」
MENは低めの声でおんりーを呼んだ。おんりーはMENの声色に気づいたのかハッとしたように振り向いた。
「MEN…」
「悪いけど俺たち今から用事あるから」
MENは普段なら言わないような、きつめな口調で言った。おんりーはMENが普段と違うことに気づいたようだった。
「え、あ、…じゃあカケルくん。また」
おんりーはカケルに申し訳なさそうに言った。カケルは少し残念そうにしながらも「お疲れ様でした!」と元気よく答えた。
「ちょ、っと待ってよMEN!」
おんりーは急なMENの行動に驚いている。しかし、MENはそのままおんりーの腕を引っ張って人気のない場まで連れて行った。
そして壁におんりーを押し付け、見下ろした。MENのその瞳には普段の余裕そうな様子はどこにもない。
「な、どうしたの…」
おんりーはMENの迫力に少し怯えているようだった。こんなMENを見るのは初めてだった。
「おんりー、あいつと前から仲良かったのか?」
MENの声は少しだけ低く、とても不機嫌だと分かる。
「え?今日初めて会ったんだけど…」
おんりーはキョトンとした顔で答える。その答えにMENの胸のざわめきはさらに大きくなった。
初めて会ったのに、俺なんかよりも楽しそうに話していたのかと。
「…そうかよ」
MENはぐっと吐き出したかった言葉を全て飲み込んだ。自分の感情が、こんなにも大きく揺さぶられること自体に彼自身が正直驚いていた。
「MEN……なんか機嫌悪い?」
おんりーはMENの顔色を伺うように尋ねた。その顔には不安の色が浮かんでいた。MENは、自身を落ち着かせようと大きく息を吐いた。
そして、おんりーの顔に手を伸ばして頬を優しく包む。
「…悪い。ちょっとだけ、ムカついた」
素直なMENの言葉におんりーは目を丸くした。普段こんなにも負の感情を剥き出しにするMENが珍しかったからだ。
「え…何に?」
「おんりーが…あんなに楽しそうに話してるの見て…」
MENはおんりーから顔を背けた。自分の嫉妬心を認めるのは、とてつもなく恥ずかしい。
「…俺おんりーのこと、好きなんだよ。だから…」
MENが言葉を濁すと、おんりーの顔がじんわりと赤く染まっていく。
「…MEN…」
おんりーは小さな声でMENの名前を呼んだ。そして、はにかむように笑った。
「…MEN嫉妬してたの?」
「ち、違うし…」
「いーや、嫉妬してたよねー?」
おんりーは笑顔で揶揄うように言った。その可愛らしい顔を見て、MENは心の中にあったドス黒い嫉妬の感情が少しずつ溶けていくのを感じた。
「…まあ、ちょっとだけ、な」
MENは観念したように小さな声で正直に答えた。すると、おんりーは嬉しそうに目の前に立つMENの胸の中に抱きついた。
「俺が好きなのはMENだけだよ」
おんりーの素直な言葉がMENの胸に温かく響いた。MENは、おんりーの柔らかい髪を優しく撫でながら彼の耳元で囁いた。
「…もう二度と、あんな顔を他のやつに見せんなよ」
「あははっ、分かったよ」
おんりーは笑いながらそう答える。その表情はどこか大変嬉しそうだった。その様子にMENは少し呆れたように溜息をついたのだった。
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MENおん供給ありがとごさます、、、!