不破side
ん、あれ?ここは
俺は気がつくと保健室のベットにいた。
そうだ、俺、体育館倉庫に行って…それで、
明那が…
あぁそっか、
また迷惑かけちゃったなぁ…
最後に記憶に残っているのは
俺が落ち着くようにと抱きしめてくれた
愛おしい体温と
“異常”と言い放った女の子の声だった
あーもう、うまくいかないな
明那の隣に立ちたくて、早く克服しようって
その思いでひたすら頑張っていたのに
結局この様だ
女の子の発した”異常”という言葉が嫌に自分の中に響く
そうだよな、普通はおかしいもんな
女性が苦手なんて
頭では分かっていたはずだった
でも、実際に言葉に出されて言われると
なんだか自分だけ、世界から迫害されたような
それこそ異常なような気がしてくる。
[俺…ダメだなぁ…]
体調が落ち着き、保健室から出ると周りがやけにうるさいことに気がつく
なんだ?
「あ、ほら、不破くん起きたっぽいよ」
「何があったの?どういうこと?」
「なんだっけ?女性恐怖症?で、倒れちゃったらしい」
「何それ!絶対嘘じゃん」
数人の女子グループが俺を見て噂話を始める
え、どうして
どうしてその事をみんなが知ってるんだ
だって、その事を、恐怖症のことを
知ってるのは、
この学校で明那だけのはずだろ、
しばらく廊下を歩くと至る所で
俺の話が聞こえてきた
“絶対嘘だ” “おかしい”
“女性恐怖症なんて”
どれもこれも否定的なものばかりだった
あぁ、くるしい。
早くいなくなりたい
俺は急いでトイレへと駆け込んだ
嫌なことがあるとトイレに逃げる癖
いい加減直した方がいいかもな…
それでもトイレでは一人で自由に考えられる
それに、これ以上否定的な意見を聞きたくなかった
恐怖症なんてきっと誰にも理解されないって分かっていたし
理解してくれている人がそばにいれば
それだけでいいって、そう思っていたはずなのに
[はは…]
これは地味に心にくるな…
でも大丈夫!別に人の意見なんていかなきゃいいだけだし!これから克服すればきっと!
きっと、
[ぁ…れ?]
あぁ、どうして涙が出るんだろう
[ぅ、くっ…]
理解されないって、軽蔑されるのって
こんなに苦しいことなんだ
声を殺して涙を流していると
男子二人組がトイレへ入ってきた
俺は慌てて口を押さえる
「てかー不破の件聞いたかー?」
「あー笑聞いた聞いた笑恐怖症とか大袈裟に言ってるだけだよな笑」
聞き耳を立てていると流れてくるのはやはり俺の話。そっか、そこまで噂になってるのか
でも、どうして、?一体誰が?
「てかこの話誰情報?」
「あー俺はクラスの女子から聞いたけどー
たしか、その子は
“三枝”から聞いたらしい」
え
コメント
2件
aknが、?流石に嘘よな??
またまた投稿遅くなってすみません! スランプに陥ってまして気分的にも落ち込んでました…お詫びの2話です…!面白く作れてたらいいな!