TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

テラーノベルの小説コンテスト 第3回テノコン 2024年7月1日〜9月30日まで
シェアするシェアする
報告する

「なんで生きてんだよっ!」



あの日から少し検査のために入院していた俺だが

隣の部屋からこんな声が聞こえてきて

慌てて向かうと命の恩人が家族に囲われていた

ごめんね

許してなんかくれなくていいから

そんな言葉に彼女は怖いのかそれとも怒っているのか震えていた

その姿が今にも消えちゃいそうで

助けたい

って思った


沈黙を破ったのは他でもない彼女だった



「結局……くせに…」



他の人には聞こえなかったのか

首をかしげている

俺には聞こえた

あぁ俺が助けなきゃ

なんでかわからないけどそう思えた



「ついてきて」



手をさしだすとためらいながらも手を握ってくれた



16日目・1月14日

命の恩人が目を覚ました

ごめんね

と謝る家族に彼女は

「結局私が死にかけないと私なんか見てくれなかったくせに…」

と小さな声で言ったのだ

どうしても助けたい

こんな感情は初めてだった

その後病院の人気の少ないところに二人で行った

なんて自分は愚かだったのだろうか

君の思いを知るまでそんなこと知らなかった

誰も見てくれない苦しみ

信じていた人から裏切られる苦しみ

誰からも必要とされない苦しみ

それでも生きないといけない苦しみ

死ねない苦しみ

その人の苦しみを知りもしないで

生を手放すぐらいなら俺にくれ

とよく言えたものだ

昔の自分をぶん殴りたくなった

それから俺のことも話した

すると少し距離が縮まった、ような気がした

残りの365日 〜生きたい俺と死にたがりの君の話〜

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

50

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚