【 五条side 】
時透「見て五条!笹の葉ある!」
[都内駅近く]
五条「そういえば今日って7月7日か。」
時透「うん!七夕の日!」
五条「お前そういうの知ってたんだな」
時透「あったり前でしょ!七夕の日は、七夕ゼリーが出てくるんだから!」
五条「給食で覚える奴なんてそうそう居ねえよ。」
時透「そぉ?あ、願い事書いてこうよ!」
五条「……おー…」
五条(願い事_______か、)
そんな物が笹の葉に吊るしただけで叶うわけがない。
あるはずがない。
五条(_______って、去年までは思っていたけれど、)
今年の俺は
あるはずがないこの感情を持ってしまったから、
神頼みでもなんでもしてやろうと思う。
五条(どーする、流石に *〜〜ますように* はなんか他人任せだよな、、、あ、命令形にすればいいのか??)
五条「………」
わからん七夕。
意を決して書くけれど、
君には見えない、わからないように
高いところに吊るした。
時透「五条〜!!」
時透「お前なに書いた?_______?短冊は?」
五条「あんな神頼みやってられっか。」
時透「相変わらず捻くれてる奴〜」
五条「うるせ〜つーかお前こそなんだそれ。」
時透「?なんだって、短冊だけど?」
五条「1人一枚までって書いてただろ」
そいつが持っていたのは3枚のお札ならぬ、
3枚の短冊。
時透「バレなきゃ犯罪じゃない」
五条「バレても犯罪ではねーよ。」
五条「みして。」
時透「ん。」
えーーと…なになに。
『パピーがこれ以上ハゲませんように。』
『近所の向日葵が私の背を超しませんように。』
『わんこそば食べたい。』
五条「…………お前さ、願い事ってなんだか知ってる?」
五条「ほら、そこ見てみろ。*パイロットになれますように*とか、なんかあるだろ」
時透「なに言ってるの。私呪術師だし。」
時透「それに、私の願いはこれだからね。」
五条「……そ。」
五条「でも*ハゲませんように*はやめてやろうな。」
時透「?なんで?毎年願ってるけど。」
五条「お前の親父泣くぞ」
時透「五条!肩車して!」
五条「なんでだよ。そら辺に吊るしたけ」
時透「やだよ。高いところに吊るしたほうが叶いそうでしょ!」
五条「へーへー。」
時透「おー!高い!!」
五条「いいからさっさと吊るせ。」
時透「オーキードーキー。_______?これ、アンタの?」
五条「はぁ?だから、俺はやってねえって_______」
時透「嘘つけ。私の目が誤魔化せると思うなよ!」
時透「アンタと一緒に反省文書いてるのは私なんだから。名前ぐらい無くたってわかるわよ。」
五条「……………。」
マジか。
時透「にしてもお前、……やっぱりね〜」
時透「そうだとは思ってたわ。」
まさかこんな形で_______
時透「一年に一度の機会になんで、
自分の寝癖の事を願うわけ?」
五条「_______は、?」
時透「だってほら、
*『素直になれ。』*って、寝癖の事でしょ?」
時透「まあ、確かによく寝癖ついてるとは思ってたけど……ほんと、夢見のない奴。というかなんで命令形?」
五条「……お前がバカでよかった。」
時透「はぁ?喧嘩売ってる??」
時透「ここまで私欲に満ちた願い事なんて初めて見た。」
五条「お前の*『わんこそば食べたい』*といい勝負してるぜ。」
時透「なに言ってんの。わんこそばは食べたかったのよ。」
五条「それが私欲だって言ってんだよ。」
拝啓 “ 七夕ゼリーが好きな ” 君へ
素直になるのは大事だから願っただけだ。
ほら、素直じゃないと面倒くさくなるだろ。
寝癖直し。
コメント
12件
久しぶりの投稿嬉しいです!ずっと待ってましたッ!そして今回も内容が良すぎるッ😭今、思ったんですけど2人がお願い事書くの可愛いですね!2人はお願い事書かなくても何でも自分の思い通りにいきそうですよね!でも、やっぱり五条くんの恋は大変なんですね、最強でも時透ちゃんは鈍感?だから...五条くん頑張ってください!