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‼️わんく‼️

※赤桃

※死体埋めネタ

※ホストパロ

※長め

※言動解釈不一致

※ご本人様には関係なし


とんでもなく遅れた上に中途半端な終わり方で申し訳ないです😿😿







今日は、週に一度の姫への接客とか稼ぎについて語り合う会。といっても、ゲームをしたり映画を見たり酒は少し休んでノンアルを飲んだり、ほとんどお泊まり会のようなものだ。

今回は俺の家。本当はさとちゃんの家だったのだけれど、昨日電話で、部屋が散らかっているから明日は莉犬の家でと言われたので、仕様が無く俺の家に変更になったのだ。

まぁ、本来誰も来ないと油断していたのだから、当然俺の家も散らかっていた。

脱ぎ捨てられたままの服に、一昨日食べたカップラーメンのゴミ。そこらに散らばっている色々な姫の性格や名前、話した内容が書かれた紙。

あげることなんてまずないが、姫をこの家にあげるなんてことは出来ないだろう。

あ、でも××ちゃんなら保護者タイプだからついでに部屋の片付けしてくれそう。ま、

片付けるのは面倒だが、一度そのままでさとちゃんをあがらせた時、これでもかというほど文句を言われながら片付ける羽目になったのだ。

その為、渋々ながら片付けるしか俺に道はない。

にしても、そんなさとちゃんが俺に見せれないほど部屋が散らかっているとは。どれほどなのか見てみたいものだ。

―ピーンポーン

無音の部屋に、呼び鈴の音が響く。

「びっ…くりしたぁ」

宅配を頼んだ覚えは無い。もしかして押し間違いだろうか。

セキュリティの高いところに引っ越したのは正解だったと思うが、面倒なところが多すぎる。

深く被られた黒いフードから、少し見慣れた頭髪を覗かれた人間が映っているインターホンを少し眺める。

指を伸ばして、通話ボタンを押す。ピッという音がすると同時に、雑音が入ってくる。

サァサァという耳障りな音に混じって、荒い呼吸音が、微かに聞こえた。

「…さとちゃん?」

そう声をかけると、揺れる髪の隙間から、濁った瞳がカメラこちらをじっと見つめる。

「早いね。どうかした?」

変わらず、答えは何も返ってこない。

ただ部屋に、サァサァという音が響く。

さとちゃんが暗いなんて、そうそうない。締め日にエース候補が逃げた時だって、掛けを飛ばされた時だって、落ち込むどころか姫を追い詰めて貢がせていた。

さとちゃんに限って本カノが出来たなんてことも無いだろうし…。

もしかして…。

「いいよ。入っておいで」

そう言って解錠ボタンを押す。映像の端に映る自動ドアが、ウィィンと音をたててゆっくりと開く。

さとちゃんが扉の方へ向かうのを確認してから、通話ボタンをもう一度押す。ピッと音がなると、映像がプツリと切れる。真っ暗な画面に映るのは、まだ髪もセットしていないに関わらず、顔の良い俺だけだ。

「やっぱ俺かわい」

とまぁ、自分の顔に見蕩れるのはここまでにして。さとちゃんが俺の部屋に着くまでの時間でこの部屋を少しでもマシにしよう。

おそらく、さとちゃんは推しが出来たのだ。その推しが特定の被りに贔屓しているから落ち込んでいるのだろう。

ま、それ以外に思い付かないっていうのが理由だが。

合っているか否かはさておき、暗いさとちゃんのために可愛くて優しいこの莉犬くんが慰めてあげよう。

「とりあえず、部屋片付けよ」

姫の詳しい内容が書かれた紙はあとでどうせ使うから一旦そのままで、カップラーメンとかのゴミもすぐに片付けられる。

散らばった服は洗濯機に突っ込んでおこう。

机に散らばったものは、そのまままとめてゴミ袋に入れる。もしゴミ以外のものが入っていてもそこまで大事な物でもないだろうし、どうせなら無くしたとでも言って姫から貰えばいい。

床に散らばった紙を集めて、トントンと整える。

「いやぁ、こんな一瞬で片付け終えるとかやっぱり才能だなぁ」

まぁ、一瞬で部屋を散らかす才能も持ち合わせているのだが。

―ピーンポーン

「あ、今開け_」

―ピーンポーン ピーンポーン ピーンポーン ピーンポーン

「開けるってば!うるさいなぁ」

今思えば、さとちゃんが呼び鈴をこんなに鳴らしたことなんて無い。あの時は、特に疑いもせずに、扉を開けた。

―がちゃ

「ちょっと、鳴らしすぎ。うるさいんだけど!」

深く被られたフードの中から、チラチラと覗く色素の薄い髪が、瞳を隠したがっていた。

鬱陶しかったこの身長差が、今だけ、ほんの少しよかったと思う。きっと、さとちゃんより身長が小さくなかったら、この表情は見れなかった。

何も感じないように、我慢するように焦点の定まらない暗い瞳も、ぽっかりと開いた口も、化粧一つされていない、飾られていない、さとちゃんの、酷く醜くて、誰にも見せたがらないような、俺でさえ今の今まで見た事のないような、そんな、表情。

酷く酷く醜くて、酷く美しかった!

「さとちゃん?」

「…………人、」

ぽっかりと開いた黒い穴から、そんな音が出てくる。掠れた、汚い音。

「殺したから、埋めるの手伝ってくれ……」

少し、後悔している。この時、さとちゃんの顔をよく見ておかなかったことを。

「いいよ」





「殺したの、別に初めてじゃねぇんだ」

「え、聞いてない」

俺の好みに合わせた、甘いココアを目の前に出されて、さとちゃんは少し迷いながらもそれを飲んでから、そう言った。

「だろうな。言ってねぇもん」

「誰殺したの?姫?ストーカー?」

「……驚かねぇんだな」

「…別に」

少し、俺も思った。人殺しが自分の家に来て、死体を埋めるのを手伝えなんて言われたら、驚くどころではないと思う。ホラーとかそういう類は苦手だし、死体なんて見たくもないし聞きたくもない。

でも、拒否すれば何をされるだろう。俺なら、迷わず殺す。協力しないなら残る道は死のみ。お化けより死ぬ方が怖いに決まってる。呪われて死ぬにも、今すぐじゃない。

「で、誰殺したの?何人目?」

「△△」

「え、あの△△?」

「そ」

△△と言えば、数ヶ月前に入ってきた明るいやつだ。裏表の無さそうな素直な性格で、犬のように人懐っこいから新人なのに姫がつきやすかった。ヘルプに入って、担当の姫が△△の姫になるなんてこともあった。

俺とさとちゃんは二人で一位を争ってるため、抜かされる心配なんて無かったし、姫を取られたなんてことも無いはずだ。なんなら、△△はさとちゃんのお気に入りだったし。

「なんで?」

「え?可愛がってたのに裏切ったから」

あー。うん。裏切るなら殺すタイプね。裏切り者が処刑されるシーンでよく共感してたり、変わってるところあるよなとは思ってたけど。

「今まで殺したのは同業だけ?」

「姫もいる」

「姫もかー。さとちゃんの姫?」

「俺の姫も」

「つまり同業の姫もってことね。……えまじで何人?」

さとちゃんは両手を開く。右手の親指を折る。人差し指を折る。中指を折る。薬指を折る。小指を折る。次は左手の親指を折る。人差し指、中指、薬指、小指。左手の人差し指を開く。

「……うん、もういいよ。いっぱいなんだねわかった」

行方不明になることが多いとは言え、よくバレなかったものだ。

「最初は、俺の姫だった」

ぽつりと、さとちゃんは話し始めた。

「二年前、くらい。家に勝手に入ってて、私だけにしてくれないなら一緒に死んでくれって」

二年前と言えば、ようやくまぁまぁに稼げるようになって、太客が増えてきたくらいだ。

あの頃少し元気が無かったのは、そのせいか。

「腹刺されて、テンパって刺し返したら死んだの。次に殺したのも、俺の姫。俺が殺したの勘づいたから殺そうとしたら、協力するよって。最後の最後で逃げようとしたから。次から、ずっとその繰り返し。手伝うって言ったくせに裏切ったり、勘づかれたり。そうやって、二年間、人殺しの俺は生きてる」

罪の重さを語るために存在しているような、そんな考えを思いつかせるような瞳が、じっと俺を見つめる。

「どうする?別に、断られるだろうなって思ってお願いしたから、断ったから殺すなんてしないよ。他に言わないように盗聴器とかはつけるかもだけど」

そんなの、決まりきっているだろう。

こんなに矛盾している、芸術品のような人間を突き放すなんて、もったない!

「断るわけないじゃん。俺を信用して言ってくれたんでしょ?いいよ。協力する。一人にしないよ」

そう言って頬を撫でると、心底安心したように頬を緩める。

「よかった。…最初から、莉犬に言っておけばよかった。」

「別にいいよ。もう言ったんだから。殺したやつらも、さとちゃんは悪くないじゃん。さとちゃんを殺そうとしたり、裏切ったり、さとちゃんを悪者をしようとしたり…。そんなことするやつが悪いよ。さとちゃんはなんにも悪くない」

「うん。そう…そうなんだ!俺は、殺されそうになったから!死にたくなかっただけだ!なのに、なんで、なんでぇ…」

ぼろぼろと、両目から涙を流す。涙にすら、美しさなど何も籠っていなかった。ただの、少しばかりしょっぱい水が、瞳から流れているだけだ。

嬉しくて流す涙、悲しくて流す涙。どれも、ドラマの中では美しさばかりがある。

けれど、目の前の醜い人間は、自らが被害者なのだと教え込まれて、そう認めてもらえてお涙頂戴ばかりに泣いているのだ。本人にその自覚がないのも、哀れで仕様がない。

「うん。そうだよ。さとちゃんはなんにも悪くない」

そう言って優しく抱き締めれば、俺の肩に顔を疼くめて、汚い嗚咽を漏らす。

嗚呼、哀れで惨めで阿呆で、救いようのない可哀想なさとちゃん!

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