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リビングから、突然聞こえた泣き声。
「うわあああああん!!」
その瞬間、キッチンにいた侑がビクッと跳ねた。
「な、なんや!?今の声!!
🌻!?🌻やろ今の!?!?」
慌ててリビングに駆け込むと、そこには床に座り込んで泣いている息子🌻。
膝を見れば、ほんの少し赤くなった擦り傷。
……それだけ。
「ど、どないしたんや!?!?
え、血出とる!?出とるよな!?!?
救急箱どこ!?救急箱!!」
侑は床に膝をつき、顔面蒼白。
「転んだん!?誰にやられた!?
パパおるのに!!」
🌻は泣きながら、
「ころんだだけぇ……」
と小さく言う。
それを聞いても侑は止まらない。
「ころんだ“だけ”ちゃうやろ!!
ほら見て!膝!赤い!!
これ…これ痛いやつや!!」
その様子を見て、ママが呆れた声を出す。
「……侑
ちょっと落ち着いて」
「なんでや!
見てみ!?🌻泣いとるんやぞ!?
病院行こ!!今すぐ!!」
「擦り傷です」
即答。
ママはしゃがんで🌻の膝を確認する。
「ほら、血もほとんど出てない
消毒して絆創膏貼れば終わり」
「いやいやいや!!
それは“大人の感覚”やろ!?
🌻にとっては大事件や!!」
🌻は侑の必死な顔を見て、逆に泣き止みかけている。
「……パパ、だいじょうぶ」
「大丈夫ちゃう!!
大丈夫って言う時ほど大丈夫ちゃう!!」
ママは小さくため息をつく。
「侑、🌻が余計不安になるから
ちょっと静かにして」
「え……」
ママが🌻の手を優しく取る。
「痛かったね
でももうすぐ良くなるよ」
🌻はこくん、と頷く。
その間も侑は後ろでそわそわ。
「ほんまに大丈夫なんか?
跡残らん? トラウマならん?」
「ならない」
きっぱり。
消毒液をつけると、🌻が少しだけ顔をしかめる。
「しみる……」
その瞬間。
「うわあああああ!!
ごめんな🌻!!パパが代わってやりたい!!」
「もう!うるさい!!代われないから!!!」
ママは淡々と絆創膏を貼る。
「はい、おしまい」
🌻は膝を見て、きょとん。
「……もういたくない」
その一言で、侑は一気に崩れ落ちた。
「……よかった…… ほんまに……」
そして次の瞬間、🌻をぎゅっと抱きしめる。
「もう二度と転ぶな!!
危ないとこ行くな!! パパが全部守るからな!!」
「侑、重い」
ママに即ツッコまれる。
🌻は少し照れたように笑って、
「パパ、だいじょうぶだよ」
と言った。
その言葉に、侑は目を潤ませる。
「……強なったなぁ……
でも泣いてもええんやからな」
ママはその様子を見て、くすっと笑う。
「ほんと、🌻より侑のほうが大騒ぎ」
「当たり前やろ
俺の命より大事やぞ」
そう言い切って、また🌻の頭を撫でる。
「どっちが大人なのか。」
小さな擦り傷一つで大事件。
でもそれは、侑なりの全力の愛だった。