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第23話、お読みいただきありがとうございました!!
今夜は、ちぐさ目線でお送りします!!
🩷「僕とまぜちの絡みは恋愛感情とかじゃなくて、僕たちは『けちゃまぜ』っていう『化学反応』だと思う。」
けちゃとご飯に行った時、俺はその言葉にどきりとした。
『化学反応』。
思い出したくなかった。
俺はこの世界に来るずっと前、アカシックレコード(宇宙の図書館)で暮らす天使の一族だった。
しかし、ある掟を破ってしまったことで、この世界に降りることとなった。
それは、『化学反応』について、生きている人間に教えてしまったこと。
相当なオカルト好きでない限り、多くの人間はこのことを知らずに現実世界を生きている。
『化学反応』を知ること自体、人体に害はない。
しかし、アカシックレコードで暮らす者が人類に教えてしまった場合、その人の人生に『答え』を教えてしまっているようなものなので、その人の人生に少なからず影響を及ぼすことになる。
なので、教わってしまった人間は長い眠りにつき、その状態が1週間過ぎれば、人間界の記憶をなくし、アカシックレコードの住人となるという、残酷な掟が備わっていた。
言い換えれば、その人間はこの世界から姿を消される。
そして、その人に関わった人間は、その人に関する記憶が消えてしまう。
しかし、眠りにつくタイミングがいつ来るのかは、どうやら宇宙の道理に沿っているらしいが、俺も詳細はわからない。
ただ一つ知っていることとすれば、『化学反応』について教わってしまった人間は、別の人間に教えた場合、眠りにつくタイミングが予定日より近づくことになる。
そう、俺は全てを知る前にまぜたんとけちゃに教えてしまった。
その運命も、当時の俺は知らなかった。
無知は罪だ。
俺のせいで、二人の存在がこの世界から消されてしまう。
だから、二人を守るために地球に降りなくてはいけなかった。
配信活動を始めたのも、NewProjectに参加したのも全ては、この二人に出会ってその運命から守るため。
けちゃまぜの切り抜き動画が増えたことに乗っかって、ぷりちゃんにまぜたんがけちゃに恋愛感情を持っているかもしれない、という話を吹き込んだのも、俺の教えた『化学反応』の話題から逸らすためだった。
まさか、まぜたんが予想以上に拗らせて、アンプがここまでバラバラになるとは思っていなかった。
そして、けちゃ自身が『化学反応』を覚えていた。
💙「なるほど、『化学反応』か。確かに、すごいしっくりくるね。
ありがと、けちゃのくれたヒントを使って俺なりに何か動いてみる。」
嫌な汗を背中で感じた。
ヤバい。
けちゃが眠ってしまう。
その夜、俺は急いであっとくんに連絡を入れた。
❤️「ちぐ?どうした、こんな時間に連絡なんて。」
💙「こんな遅い時間にごめんね。突然だけど、あっとくん、今の時期、紫とピンクの花で思い浮かぶものある?」
我ながらにとんでもない質問をしているのはわかっていた。
二人の運命を解く鍵、それは二人の色に共通する、その時期にしか咲かない花。
特に、あっとくんは草花についての知識があった。
野菜嫌いだから、植物について興味がないと思ったら、意外にも知っていて驚いた。
❤️「あぁ、紫陽花、とかかな。そろそろ見頃なはずだよ。」
若干戸惑いながらも、答えてくれる。
さすがは、女の子のリスナーを喜ばせるイケボ配信者。
その辺りの知識は抜かりがない。
💙「ありがとう!!めっちゃ助かった!」
そうして、俺は通話を切った。
なるほど、紫陽花か。
紫陽花は色によって花言葉が異なる。
紫は「神秘的・辛抱強い愛」。
ピンクは「強い愛情」。
本当に、けちゃまぜらしい温かい花言葉だ。
その翌日も、俺はけちゃの家に行った。
いつものように、他愛もない話をして過ごしていた。
まだ、大丈夫だと思った。
だけど、妙なことが起こった。
会社に行っても、discordを開いても、まぜたんを見かけない。
🩷「あの後、まぜちにLINEしたんだけどね、いつもだったらめちゃめちゃ早く返信か既読がつくはずなのに、1日以上経っても全然何もないの、、何かあったのかな、、、」
俺ら二人でご飯に行った後、けちゃはまぜたんにLINEを送っていた。
だけど、既読がつかない。
おかしい。
嫌な予感がした。
💙「俺、明日の出勤が終わった後、まぜたんの様子を見に行ってくるよ。」
その日、けちゃの家に泊まった翌朝のことだった。
会社に出勤しようと荷物を持った時。
けちゃの寝室から鈍い物音がした。
駆けつけると、けちゃが床に倒れていた。
💙「けちゃ?!、、、けちゃっ!!」
彼の肩を揺さぶる。
とうとうこの日が訪れてしまった。
意識が朦朧とする中、けちゃは声を振り絞る。
🩷「僕は大丈夫だから、まぜちのところに行って、、机の引き出しに合鍵があるから、それで行ってきて。。。」
そうして、けちゃは目を閉じた。
俺は、けちゃをベッドに寝かせ、用意していた紫陽花を枕元に置いた。
すぐに戻ってくるからね。
けちゃの眠った顔に心の中で、誓った。
絶対に救わなきゃ。
急いで、けちゃが指示してくれた場所にある合鍵を見つけ、まぜたんの家に走った。
そして、嫌な予感は的中する。
まぜたんも、倒れていた。
あとがき
あと6話で終わるのかな、、、と不安になりながら書いてますw
いろんな時間軸が動いていますので、各話読み返しながら展開を楽しんでいただけたら幸いです📣💜🩷❤️💛💚💙🌈