テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
21,184
335
🤍side
目が覚めれば昼ごろ。
ゆっくりと身体を起こし、身支度を始める。
少しして眠そうな顔で舜太が起きた。
🤍「おはよ、舜太」
❤️「んぅ、、」
まだ目が覚めて無さそうな声で、後ろから俺に抱きついた。
🤍「なに、甘えたいの?笑」
いつもはこんなことしない。
昨日のこともあってか、優しくぎゅっと抱きついてくるのが少し嬉しかった。
舜太がこくりと頷いたのを見て、舜太の倍の力で抱き返す。
そうすれば、舜太の抱きしめる力も自然と強くなる。
🤍「ほら、仕事でしょ?準備しなくちゃ」
少し寂しそうな顔で舜太も支度を始める。
もう眠気は無くなったようだった。
❤️side
お互いの準備が終わり、一緒に家を出る。
🤍「忘れ物ない?」
そう聞かれ、荷物を漁ったあと頷く。
❤️「いってきます」
🤍「いってらっしゃい」
唇を重ねる。
🤍「いってきます」
❤️「いってらっしゃい」
もう一度重ねる。
これは、いつもやってる大事なこと。
これがないと仕事もうまくできない。
既に寂しい気持ちが強いけど、これがあればひとりでも頑張れる気がした。
そんなこと、考えられるのも今のうち。
今日はバラエティ番組のゲストとして出させてもらう。
「M!LK曽野舜太さんです!」
スタッフの声でスタジオに入り、みんなから拍手をもらう。
誰がいるのかな、と周辺を見渡していた。
そのとき、俺の視界に映りたくない人物を捉えてしまった。
「舜太くん、よろしくね♡」
この前、吐くほど嫌な目に遭ったばっかりだというのに。
撮影はもちろん何事もなく終わった。
幸い、あの人とは結構距離が空いていた。
なるべく視界に入り込ませないようにし、自分の正気を保つしかなかった。
だからか、あんまり喋れなかった。
ファンのみんなに心配だけはされませんように、、。
俺はまたいつものように、捕まる前に早く楽屋に戻ってしまおうと早足で動く。
でもそれも遅かった。
「舜太くん、また会えたね♡」
びくっ、と肩が震える。
もう、何度も聞いてきた気色の悪い声、話し方。
おじさん特有の臭い。
みすぼらしい見た目。
もう、近寄りたくもないのに……
「しばらく会えなくて寂しかったんだよ?」
また、腕を掴んでくる。
こわい、こわいよ、、っ
息が、、
❤️「かひゅ、っ、ひゅーっ、やめ、て、げほっ、」
「ん?やめないよ?♡」
どうしよう、このまま逃げたいのに、
身体がすくんで……、っ
🤍「何してるんですか?」
「………え?」
🤍「俺の舜太に触らないでください」
今までに見たことの無いくらい、冷めきった声。
「な、…誰だよお前、っ!」
🤍「俺の事、ご存知ないんですか?舜太を知る上で欠かせない存在なのに。」
「は、はぁ、!?」
🤍「舜太、大丈夫、っ、?」
あいつのことなんかそっちのけで、優しく心配した顔で話しかけてくれる。
❤️「っぁ、…、うん、っ」
そして、ぎゅ、と抱きしめてくれる。
あたたかくて、怖くて不安だった気持ちを全部取ってくれる。
「誰だか知らねぇけどよぉっ、!お前ら傍から見れば付き合ってるみたいだぞ!?気持ち悪い!!」
スタッフなどがいる中で、とんでもない大声で叫ばれた。
威圧するような声に萎縮してしまう。
🤍「……」
柔は、何も言わずにさらに強く抱きしめた。
俺の視界にあの人を映さないように、全部、覆い被さるように。
🤍「やめてください。舜太が怖がってます。」
ただの注意に感じるが、その声はひどく冷酷で、俺からすれば怖くて聞きたくなかった。
でも、俺のためにそこまで怒ってくれてると思うと、何故だか少し幸せな気分だった。
今はそれどころじゃないけど。
「はぁ!?怖がってるってなんだよ!んなの見えてねぇんだしわかんねぇだろ、、!」
未だ見苦しいことを喋っている。
そういうことを言わないと気が保てないのだろう。
🤍「見なくてもわかりますよ、もう10年以上の仲ですから」
「え、じゅ、10年、、?!」
それを聞いて思わず、あちらも言葉に詰まったようだ。
「っお、お前ら10年も付き合ってんの!?きもすぎ!!」
あっちの方がよっぽど気持ち悪いのに、何故かその言葉が俺に刺さった。
別に10年も付き合ってた訳ではないが、傍から見れば男同士で付き合っている人間なんて数少ない。
ましてやあれくらいの年齢の方々から見れば気持ち悪いと感じて当然。
気持ち悪い、、か、
でも、俺は、もう、…
柔なしで、生きていけないから、、
🤍「これ以上舜太を傷つけるようならこちらにも策がありますよ」
「は、はぁ!?」
🤍「今の言葉も、さっきからの威圧的な話し方も、今の舜太にはきついものです。」
🤍「貴方は、舜太に悪影響しか与えていない。」
「…っっ、、!」
🤍「どれだけ貴方が動こうと、舜太の心が抉られるだけ。友好的に接したって、振り向かれるわけがありません。」
🤍「貴方が俺に勝てるわけ無いでしょ?」
「……、っ黙れよ!」
俺に覆い被さっていた影が消えた。
その影は、あの人に殴られていた。
コメント
3件
コメント失礼致します やっぱり愛が激重なywsyn好きすぎます😇はるか様の書く物語がぶっ刺さりすぎてほんとに神です😭次回も楽しみにしています🎶
柔の「俺の舜太に触らないでください」の冷たさ、ぞくっとした…。怖がる舜太を覆い被さるように抱きしめる姿、執着と優しさが同居してて切なくなりました🥀 舜太が「柔なしで生きていけない」と思うところ、重いのに愛おしい。最後の影が殴られる展開、続きが気になります…🌙