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帝国・教皇庁。
重い扉の奥。
誰もいないはずの禁書庫。
蝋燭の火が揺れる。
ヒカルが低く言う。
💛本当にここで合ってるのか?
タツヤは淡々と答える。
💜“無かったことにされた記録”は、だいたいここにある
皮肉な言い方。
ヒカルは眉をひそめる。
💛笑えないな
タツヤは棚から一冊抜く。
分厚い古書。
埃が舞う。
💜…あった
ページを開く。
古い文字。
そして、ところどころ不自然に削られている。
ヒカルが覗き込む。
💛消されてるな
タツヤは指でなぞる。
💜あぁ、意図的に。しかもかなり最近
ヒカルの顔が険しくなる。
💛教皇庁がやったのか
タツヤは答えない。
代わりに別のページを開く。
そこには、かろうじて残った一文。
「“歌は世界を――”」
途中で削られている。
ヒカルが呟く。
💛…世界を、何だ?
タツヤは静かに言う。
💜嫌な予感しかしない
さらにページをめくる。
そこに、図式のようなもの。
円。
中心に“人”。
周囲に“紋様”。
ヒカルが目を細める。
💛これ…
タツヤが言う。
💜契約陣だな。封印か、制御か
ヒカルが思い出す。
💛大公家の呪い…
タツヤが頷く。
💜おそらく同系統だ
沈黙。
ヒカルの拳が強くなる。
💛つまり、教皇庁は知ってたってことか
タツヤは淡々と言う。
💜知っていたどころか
一言。
はっきりと。
💜作った側の可能性がある
空気が凍る。
ヒカルが低く言う。
💛…ふざけるな
怒りが滲む。
💛人を道具にしておいて、神の名を語るのか
タツヤは冷静。
だが目は鋭い。
💜さらに問題がある
ヒカルが見る。
タツヤは別の紙を取り出す。
💜セイレーンの記録
💜本来複数存在したはずだが、現在の記録では“絶滅”扱いだ
ヒカルが言う。
💛でも実際はいる
タツヤは頷く。
💜そうだ、しかも
少し間を置く。
💜“一人だけ特別扱いされている痕跡”がある
ヒカルの背筋が冷える。
💛…まさか
タツヤは言う。
💜おそらく、現在生きている個体
💜それが
言葉を選ぶように、ゆっくり言う。
💜すべての鍵だ
沈黙。
ヒカルが呟く。
💛帝国が動いてる理由も…
💜教皇庁が隠してる理由も
ヒカルは拳を握る。
💛繋がったな
そして決意するように言う。
💛全部暴く
タツヤは少しだけ笑う。
💜命がいくつあっても足りねーよ
ヒカルは真っ直ぐ言う。
💛それでもやる
その時、空気が揺れる。
タツヤが顔を上げる。
💜…誰か来る
ヒカルはすぐ剣に手をかける。
灯りが揺れる。
扉の向こう。
足音。
ゆっくりと近づいてくる。
タツヤが小さく呟く。
💜タイミング悪すぎだ
ヒカルは笑う。
💛いつもだろ
扉の前で、足音が止まる。
沈黙。
そして―
ドンッ
扉が叩かれる。
「開けろ」
低い声。
教皇庁の人間。
ヒカルは剣を抜く。
💛逃げるぞ
タツヤも頷く。
💜おう
灯りが消える。
闇の中。
二人の影が動く。
そして、別の戦いが始まる。
#snowman