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今まで胸の奥深くにしまっておいた悲しみのかたまりが、いくらか溶けた安心感はあった
でもそれで彼を失ってしまったら
やはり話すべきではなかったのかもしれない・・・
視線を感じたのか、柚彦君がゆっくり目を開けた
眠そうなまなざしで微笑み、私を見つけると胸に引き寄せた
「おはよう・・・・」
私はぎゅっと彼に抱き着いて言った
「う~ん・・・君と一緒に目覚めるのはとても気分がいいなぁ」
寝起きの彼の声がかすれている
「そう?」
私は作り笑いをした
「そうだとも」
彼は私の髪に頬をすりよせた
「気分はどう?」
「うん・・・大丈夫・・・・私・・・酷い顔をしているでしょう?目は泣いたせいで腫れあがっているし髪はくしゃくしゃで・・・ 」
彼は少し身を引き私を観察するフリをしてから、鼻の頭に優しくキスをしてくれた
「いや・・・素晴らしいよ 君は完璧さ」
「嘘よ」
今度は本当に心から笑った
「でしたら・・・あなたは眼鏡を作らないといけないわ」
「僕の視力は2・1だ」
その間も彼は私の背中をずっと撫で、ベッドで私とおしゃべりをするのが楽しくてたまらないといった様子だ
「鈴ちゃんの長い髪が好きなんだ、僕みたいな剛毛と違って、とっても綺麗だ、細くて艶々してる、染めたりしたらダメだよ、この色が好きなんだ 」
「どうしてそんな話し方ができるの?」
怪訝そうに彼が聞き返す
「そんなって?どうして?」
「あなたが・・・・あまりに普通だから・・・」
彼がクスリと笑った