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仕事が終わって、家に帰る。
会社ではもう、僕はそれなりに信頼される存在になった。
ミスをしても誰かに責められることはほとんどなく、
こったんも、肩の力を抜いて僕に接してくれる。
でも、帰ってこの家のドアを開けると、
緊張がふっとほどける瞬間がある。
「ただいま」を言う前に、
こったんの顔が見えるだけで、安心する。
「ただいま、こったん」
名前で呼べることが、こんなにも自然で、
こんなにも胸を温かくするなんて、数年前には思わなかった。
「……おかえり。今日も頑張ったね」
優しい声。
その声を聞くだけで、僕の肩の力は抜ける。
夕飯を二人で簡単に済ませたあと、
僕はソファに座り込んで、ぼんやりとこったんのことを見ていた。
「……ねぇ」
声をかけると、こったんが振り向く。
「ん?」
「……抱きしめてほしい」
目が合うだけで、心臓が早くなる。
それでも、怖くはない。
安心と信頼が、胸に満ちているから。
こったんは笑いながら、そっと僕を抱き寄せた。
肩に顔を埋めて、胸の温もりを感じる。
長年一緒にいるのに、まだこんなに心臓が高鳴るのかと思うくらい。
唇が触れるのは、優しく確かめるようなキスから始まる。
「……こったん」
「ん?」
「……好きです」
名前を呼ぶと、こったんは少し目を細めて微笑んだ。
そのまま、僕の手を握り、肩に回した腕の力を少し強くする。
「俺も、だよ」
息が重なり、体温が溶け合う。
力強さと優しさの両方が、全身に伝わる。
「……もっと、触れてほしい」
そう言うと、こったんは小さく息を吐き、
ゆっくりと僕の体を自分に寄せる。
安心感が、甘さになって全身を包む。
抱きしめられるたびに、
「守られている」と心の底から実感する。
夜は長く、ゆっくりと続く。
お互いの体温を確かめ合いながら、
キスも手の動きも、時間をかけて愛情を伝えるように。
声にならない吐息や、耳元で囁く名前が、
甘く胸を満たす。
「……こえ君と一緒にいると、落ち着くな」
こったんの声に、僕も小さくうなずく。
「僕も、だよ」
体をぴったり寄せ、名前で呼び合う。
安心と信頼の中で、互いの距離はもう、昔のように不安で縮こまったものではない。
「……将来も、ずっとこうやって一緒にいたい」
僕の言葉に、こったんは頭を撫でながら答える。
「もちろん。ずっと俺の恋人だろ?」
名前で呼ばれるたび、胸が温かくなる。
守られているだけじゃなく、選ばれているという確かな感覚。
夜が深まっても、二人の時間は止まらない。
抱き合いながら、静かに名前を呼び合う。
手を握り、体を寄せ合い、
互いの存在を確かめ合う。
「……怖いことも、迷うこともあったけど、
こったんと一緒なら、乗り越えられる」
小さな声でつぶやくと、こったんは耳元で囁く。
「うん。俺もだ。こえ君となら、何でも大丈夫」
その声に、僕は全身の力が抜ける。
胸の奥から温かさが広がって、
今まで抱えていた不安や緊張が、すべて消える。
数年経った今、
この家で、ソファで、抱き合って眠る時間が、
一番安心できて、幸せで、甘い時間だった。
名前で呼び合い、支え合い、守り合える。
この関係が、これからもずっと続くんだと確信しながら、
僕はこったんの胸で静かに目を閉じる。
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