桃8歳
赤side
赤『桃ちゃん起きて~』
ゆさゆさと揺らしながら声をかけると、布団がもさっと動き桃くんの目覚めた。
桃『ん゙ぅ~ッ』
赤『ふふ、まだ眠いね』
赤『桃ちゃんおいで、ぎゅーしよ』
桃『…?』
基本的に長い文は脳が処理しきれないのかオウム返しすらしない。
赤『ぎゅーしますか?』
桃『しぃ…まぁす』
最近『する』『しない』の区別が着いたのか「しますか?」と聞くと答えてくれることが増えた気がする。
大好物なハンバーグを食べるか聞いた時に『食べません』って言われてお腹すいてないのかなぁって思いながら青ちゃんと食べてたら、本当は食べたくて泣き出しちゃったこともあったから、完璧に理解はしてないのかなぁって感じ。
でも1歩ずつ成長してくれて嬉しい。
赤『じゃあリビング行こっか』
桃『りみんぐ…いこっか、!』
赤『かわいい…笑』
桃『ごはぁ…』
赤『…!そうだねご飯も食べようね!』
桃くんが自ら言葉を発するなんて珍しいなと朝から嬉しいことが続いて無意識に口角があがっちゃう。
青『桃くんおはよー』
桃『ももくッ、おぁよっ』
青『赤くんに抱っこされてんの~?』
桃『…?』
青『まだこの長さは難しいか、』
赤『でもさっきしますかの返事できたんだよ~』
赤『ねー桃ちゃん?』
桃『ねッ、ももちゃっ』
青『え、すごいじゃん』
青『桃くんえらい!』
桃『ももくえらぁい』
青『じゃあごはん食べよっかね』
・
ダイニングテーブルに着いて青ちゃんが用意してくれた食事を囲む。
俺と青ちゃんは食パンにジャムを塗ったり、スクランブルエッグを乗せたり、各自で好きなものを食べる。
桃ちゃんは好き嫌いが激しいから基本的に好きなものとまだ慣れてないおかず少しをワンプレートに入れて食べさせる。
桃『〜🎵』
もぐもぐとご機嫌な桃ちゃんのお顔を見たらご飯を口いっぱいに入れてほっぺがぱんぱんだった。
青ちゃんも気付いてたらしく口を開く
青『桃くん詰めすぎ~笑』
青『少しずつだよ?』
桃『んぁ!ゔぅ!』
フォークを取られ不機嫌になった桃くんを宥めながらごはんを食べる。
青『ほら、もぐもぐごっくんでしょー?』
桃『~ッ!』
ばんばんッと机の上を叩く桃ちゃん。
完全に癇癪を起こしてしまってる。
青『机叩きません!バツだよー?』
桃『ばつッだよ゙!』
青『そう、ばつだよ。』
桃『かーしーでッ!』
青『ごっくんできたね、はいどうぞ』
癇癪になった時、最初の頃は2人で対応してたけど2人で言葉を発すると余計に混乱しちゃうから基本的にどっちかが対応するようにしてる。
自傷が始まっちゃうと2人で落ち着かせるけどね。
青『もー、おかずも食べてよねえ』
赤『お米だけじゃ絶対味しない笑』
青『素材の味を楽しんでるのかもね~笑』
桃ちゃんは食べる順番にもこだわりがあって、お米だけを先に食べてその後にコーンスープ、そして最後におかずなんだよね。
お米だけじゃ可哀想かなってふりかけをかけてあげた時もあったんだけどふりかけ自体が好きじゃなかったみたいで全く食べてくれなかった…笑。
桃〈もぐもぐ〉
赤『桃ちゃん美味しい?』
桃『おいしっ』
赤『じゃあこれも食べてみようね~』
一向に手をつけない鮭を桃くんのフォークに刺してみる。
桃『や゙!』
青『美味しいよー?』
青『僕も食べてるよ?ほら!』
桃くんに見てもらいながら鮭を食べる青ちゃん。
桃『ん、ぅ、』
ぱくっと少しだけ食べてくれた。
赤『食べれたじゃん!えらい!』
桃『んぅ、ふふ』
褒められたことが嬉しいのかすっかりご機嫌な桃ちゃん。可愛くてついつい褒めたくなっちゃう。
桃『ごちそっさま、』
青『桃くんお腹いっぱいなのー?』
青『ハンバーグは?好きでしょ』
桃『ないなぁい!』
食べれるものが少ないからいつも冷凍のお弁当に入れるような小さいハンバーグを入れてあげてる。
今日はそれすら残してしまった。
赤『最近食べないね、』
青『どんどん痩せちゃうなぁ、』
赤『あ、俺今日学校だから桃くんよろしくね』
青『体育祭の準備だっけ?』
赤『そうそう』
青『桃くん荒れるなぁ絶対笑』
赤『ごめんね笑よろしく!!』
青『はいはい、頑張ってね』
青ちゃんに伝えたしもう遅刻確定時間だし急いで準備をして靴を履く。
桃『あかにぃ、?』
赤『ありゃ、桃ちゃん青ちゃんは?』
桃ちゃんが勝手に家から出ないようにリビングには柵があるはずなのに何故か空いていた。
あ、俺が閉めてなかった笑。
赤『青ちゃーーーーん!』
桃『ん゙ぅっ!』
俺の大声にビビった桃ちゃんがとっさに耳を塞ぐ。
赤『ごめんねぇ、桃ちゃんびっくりしたね』
青『どうしたの!?』
赤『ごめん俺が柵治すの忘れてて…笑』
青『あー、はいはい笑』
青『桃くん向こういこ?』
桃『あかにぃ、』
赤『学校行ってくるね』
桃『がっこう…ももくがっこう』
青『桃くんは学校じゃないよ』
桃『じゃないよ…ッ』
混乱してしまってるがこれ以上遅刻するとまずいので玄関を後にした。
・
青side
桃くんは予定変更がすごく苦手だ。
赤くんが学校へ向かった後、桃くんはというと、、
桃『んっ、んっ、、』
青『桃くん着替えないよ!』
青『ズボン反対だし、笑』
制服に着替えたり
桃〈とことこ、〉
青『リュックは使いません』
通学用のリュックを背負ったり
桃『ゔぅ!』〈どんどんッ〉
青『桃くん、今日は土曜日です』
桃『どよッび!』
床を足で蹴りながらぽろぽろと泣き出してしまった桃くんに声掛けをする。
青『床さん痛い痛いって言ってるよ?』
桃『ん゙んッ!』
髪を引っ張る自傷が始まってしまったので僕は桃くんの手を握る。
青『桃くん体大事大事だよ。』
桃『だぃ゙じッッ!』
涙と鼻水でいっぱいになった桃くんを抱きしめて背中を一定のリズムで優しく叩いた。
桃『ゔぁ、、ぐすっ』
桃『あかにぃッ、がっこッです!ゔぅ』
青『そうだよ~、すぐ帰ってくるって言ってたよ』
桃『ゔぅ、、』
自分なりに理解しようとしてるんだよね。
青『桃くん落ち着けて偉いね』
よしよしと撫でると体が重くなった。
沢山泣いて眠くなっちゃったかな。
青『桃くん眠い?』
桃『ないぁい、、ぐすっ』
青『眠くないか~笑』
本人は眠くないらしいけど今にも寝ちゃいそうな表情や仕草に笑っちゃう。
青『寝ていいよ、おやすみ』
桃『ん、、ぅ、』
対面で抱きしめて軽く体を揺らしながら背中をとんとんしていると可愛い寝息が聞こえてきた。
僕がご飯作って桃くんを1人にするのは危険だな。
赤くんにマックを買ってきてもらおうとLINEをして桃くんを座って抱っこしたままスマホをいじった。
・
〈がちゃ〉
玄関が開く音に聴覚過敏な桃くんはぴくっと体を揺らした後目を擦りながら起きてしまった。
青『桃くん起きたの』
桃『んぅ、、』
相変わらず寝起きは弱くて可愛い。
赤『ただいまー!』
桃『、、?』
赤くんの声に桃くんは喜ぶかと思ったけど表情が一変して混乱を見せる。
赤『桃くん!ただいま~』
桃『ん゙!あかないなぃ!』
赤『えぇー?』
桃『あかに゙ッがっごいきまず!!』
赤『あかにぃ学校終わりました』
桃『お゙わりまじだッ、ぃッやぁ!!』〈じたばた〉
青『平日だとこの時間まだ帰ってきてこないもんね』
赤『そーゆうことかぁ』
いつも学校から帰ってくるのは6時ぐらいで今は12時半。
桃くんの中で赤くんは登校日だから6時に帰ってきてないことにまた混乱してしまった。
赤『桃ちゃんマック買ってきたよ?』
青『えー!桃くんマックだってー?』
桃『まっく、ッ…、はんばー、が』
赤『そう、ハンバーガーだよ』
赤『食べる?』
桃『たべぇる、ッ』
青『じゃあ食べようね』
・
机に座りウェットティッシュで手を拭いたあと桃くんが好きなチキンクリスプを渡した。
桃『んっ、ふふ、』〈もぐもぐ〉
もぐもぐと好きなハンバーガーを頬張る桃くんが可愛くてついつい見とれてしまう。
青『桃くん美味しい?』
桃『おぃしッ』
青『良かったぁ』
赤『桃くんナゲットもあるよ』
桃『なげっとッ、』
赤『俺も食べよっ』
青『僕もー』
ナゲットにソースを付けて口に運んでいるとその姿をじーっと見た桃くんが自分のナゲットをぺちょっとソースに付けた。
赤『え!桃くん付けちゃうの!?』
桃『…ッぅあ、、』
桃『ごめなさッ、』
赤『ごめんごめん!怒ってないよ~!泣』
青『いつも付けないで食べるのにね、僕たちの真似したかったのかな』
桃『…?』
赤『桃くん食べてみたら~?』
桃『…っ』〈ぱく〉
もぐもぐと味わう桃くんを見つめた。
食べれるかな…?
桃『…んべぇ、、』
青『だめだったか~笑』
赤『俺のナゲット1つあげるからその食べかけちょうだい?』
桃『ちょーだッぃ?』
赤『ありがと!』
桃『ありがぁと!』
青『桃くんお話上手になったね』
赤『ねー?ほんと上手になったね』
桃『…?』
・
赤side
桃『んぅっ、ふふっ、』
赤『桃ちゃんたのしーね?』
桃『たのしっ』
今はごはんを食べ終わって、最近運動不足な桃ちゃんを動かそう作戦ということでバランスボールに座らせてバウンドさせている。
立っている俺が手を繋いで上下に揺らしていると桃ちゃんも俺に合わせて座りながらジャンプしてくれる。
赤『かぁわいい笑』
桃『んっ!んっ!』
青『あれー、桃くんノリノリじゃーん!笑』
お風呂から出た青ちゃんがリビングにきて声をかけてきた
桃ちゃんの表情はすっごくにっこにこで本当にかわいい。
誰よりも可愛いよ俺の弟は。
・
お風呂に入り終わってリビングに戻ると桃ちゃんがブロックで遊んでいた。
もう時計は21時半を周っていて寝る時間になってる。
赤『桃ちゃーん?寝るよ~』
桃『んっ、ないなぁい、』
赤『寝ないじゃないよ~、お片付けしてー?』
桃『や゙ぁ!』
赤『片付けられたらかっこいいなぁ~』
桃『ゔぅ~!』〈じたばた〉
赤『ほら、ここに入れて?』
ブロックが入っていた箱を桃くんの手元に近ずけた時、
〈びりッ〉
赤『あ!桃くん!』
箱が紙製だったのも悪いがわざと破くのも良くない。
赤『ばつでしょ?』
桃『ん゙ぁ!!うぅ!!』
桃くんに伝わるように怒った表情で伝える。
泣いちゃったけど、イライラしてたり頭が混乱していても気持ち任せでしてはいけないことだってあるってことをちゃんと伝えなきゃ。
赤『桃くんどうするの?』
桃『ごめッな゙ざッ!』
桃『ゔぅ゙ー!!』
赤『もうびりびりしないでね?』
桃『じなぃッでね゙ッ!!』
赤『そう、しないでね。』
桃『ん゙ぅ、!』
ハグを求めてきたから受け入れてあげる。
赤『イライラしちゃったんだよね。』
よしよしと頭を撫でて桃ちゃんを落ち着かせてあげるとうとうとし始めた。
赤『桃ちゃんお片付けしようね』
そう伝えると少し不機嫌そうだけどちゃんとお片付けしてくれた。
赤『よし!えらい!桃ちゃんえらいね!』
桃『ももちゃ、えらっ!』
青『桃くんえらいじゃーん』
リビングの椅子でそっと見守ってくれていた青ちゃんに褒められてとてとてと青ちゃんの腕の中へ歩いていった。
青『アイス食べよっか』
桃『んぅ!』
桃ちゃんが片ずけてる間に作ってくれた処方された薬入りのチョコアイスを食べてもらう。
最初の頃は水に混ぜてたけど流石に苦かったのか全く飲んでくれなくて先生に勧められたチョコアイスで食べさせるとすんなり食べてくれるようになった。
青『よーし、食べれたね』
赤『じゃあ寝室いこっか』
桃『いこっかッ、』
・
寝室に着き3人並んで布団に入る。
とんっとんっとゆっくり叩くと可愛い寝息が聞こえてきた。
いい夢見てね。
コメント
2件
ぁぁ””好きすぎるっ((殴