この作品はnmmn二大禁です。全てがフィクションであり、実際に存在する方々や団体などとは一切関係ありません。ありがたいことにコメントを頂ける際は、伏字など対策をお願いします。ルールを守って楽しみましょう。
cp:無し
今更気付いたのですが、今作は💜と🩷の出演頻度に贔屓があるかもしれません……すみません。
side 💜
💜阿部ちゃん、そろそろ起きときな〜
💚…………
💜?阿部ぇ?
パラソルの下で寝てる後頭部しか見えない阿部ちゃんを起こそうと声をかけるけど、阿部ちゃんは起きない。
いや、起きてるのか?とにかくなんでか分からないが、返事がない。
すると佐久間がやってきて、俺も混ぜて!と絡んできた。
💜阿部ちゃんが起きないのよね〜
🩷え阿部ちゃんが!?おーい阿部ちゃん!
💜おーいお茶みたいに言うなよ 笑
💚…………
俺と佐久間が会話してても阿部ちゃんは反応がない。もしかして、ほんとに寝てる?でもここまでうるさくしても起きないのって……
佐久間が気になって阿部ちゃんの顔を覗き込む。
🩷ッ……、ふっか、阿部ちゃん……
💜え、何?
🩷……泣い、てる
💜は?……
急いで立ち上がって回り込んで阿部ちゃんの顔を見る。
阿部ちゃんは寝息も静かに、ぽろぽろと涙を流してた。
佐久間は相当びっくりしてて、例外なく俺もびっくりしてる。
ずっと起きない阿部ちゃん、起きたくないのか。
💜……悪夢でも、見てんのかなぁ
🩷……なら早く目ぇ覚まして欲しいよ……
何も分からないまま、声を絞り出すしかできなかった。
揺さぶって起こそうとも考えたが、なんだかそれをするのは憚られた。理由は、自分でもよく分からないけど。
side 💚
暗い視界の中、思考する。
次のループではどう行動しようか。
死ぬのをまた試してみるのもいいだろう。でも危ないものは割かし俺含めたメンバーには持てないし、持たせてくれない。本来怪我したりしたら危ないから。(盗むことも考えたけど、そもそも探す以前にメンバーが死んだ。)
あの崖や海に飛ぶこともやったけど、止めに来たメンバーが代わりに落ちたり溺れたり、嫌な結果にしかならなかった。
随分と疲れてしまったので、勉強がしたいなぁと不意に思う。
ループは何日続いているのかも忘れてしまった。体感だけでいうと何十週間……いやそこまでじゃないか?それすらも分からない。
……ふと、皆のことを思い出す。
💚好き、だな…………
皆のことを考えて、ああ好きだと実感する。
大切にしたい。9人で幸せになりたい。
そばにいたい。
いつだってそばにいたいんだ。俺が。
そうして、目を覚ました。
💜っあっ、起きた!!阿部ちゃん!!
🩷阿部ちゃんなんの夢見てたんだよ!!
💚え、え、なに?どうしたの2人とも……
起きてすぐにふっかと佐久間の大声を浴びて素っ頓狂な声が出る。
話を聞くと、俺が目を覚ますまでの間、俺は涙を流してたらしい。そんなの知らなかった。体さえも疲れてるのだろうか。
💚心配かけてごめんね、夢なんて見てなかったんだけど……
🩷ほんとにぃ?すっげえ泣いてたのに……な?
💜うん、阿部ちゃんマジで泣いてた
💚そっか……でも気にしないでいいから、ありがとう
納得いかない様子の2人を見守る。
泣きたい、縋りたい、助けてと言いたいと煩い自分を何とか黙らせる。
泣いても縋っても助けてと言っても、状況は何も変わらないんだと事実を脳裏に焼き付かせて。
「夢」。今この現在が、夢であるならどれほど嬉しいか。
他愛もない思いをしていると、照がやってきて撮影が始まると教えてくれた。
ふっかと佐久間はまだ困惑している横を、俺は知らないフリをするように通った。
俺は考えて、決めた。
命を賭けてでも守りたいものを守るんだって。
その為なら、皆の為なら、おれは……
俺は俺が死ぬ恐怖さえ、乗り越えてみせる。
side ❤️
漠然と、俺たち9人の未来は笑っているだろうと思っていた。
笑える未来になるように皆も俺も努力しているから。
その努力が無にならないなんて思えなかった。
その日は真夏日で、誰が見ても雲一つない綺麗な青空が俺たちを照らしていた。
普段全員揃ってくることなんてまあない無人島にやってきて、テンションは皆上がっている。
だから分からなかった。阿部が何を思ってるかなんて。阿部が何をしようとしてるかなんて。
MVの初日分を撮り終えた今、皆で海で遊ぶ流れになりつつあった。
目黒や康二、ラウールの3人は朝も遊んでいたのにもう海に入っていて、ワチャワチャと既に水遊びをして楽しんでいる。
そのまま全員が海に入ってからは楽しくて笑顔が途切れなかった。
過去の自分が思っていた「笑える未来」が今ここにもある気がして、勝手にも嬉しくなる。
途中阿部が少し休むと言って先に海から上がったあとすぐに俺達もあがって阿部が行った方に進む。
❤️…………は?
目の前の光景が信じられなかった。
俺たちより先に屋内に行った阿部は、椅子にぐったりと座ってまるで意識がないようだった。
首元には、はっきりと絞められた跡があった。
見たことがないまでの穏やかな顔をした阿部は、確実に、首を絞められて死んでいた。
これまでにない穏やかな表情。殺されたにしてはおかしい。
ああ、阿部は、自分で死んだんだ。
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