テラーノベル
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天然で、優しくて、泣き虫で、ふにゃりと笑う。
その笑顔を見るといつだって守ってあげたくなる。
けど、誰にでも懐っこくてどんな人でも虜にしてしまうような笑顔を振りまいて距離感が近いのをなんとも思わないところを見ていると全部自分のものにして閉じ込めて押さえつけて俺だけだって縋って泣く姿が見たいと思う。
その気持ちはいつだって背中合わせの危ういバランスで俺の中にある。
でも確実に言えるのはどっちも俺で、そのバランスを崩すのは君のせいだ。
そしてどっちの俺もいつだって全力で君を愛している。
「若井?眠い?もう消そうか」
「あ、いや··ごめん、ちょっとぼうっとしてた」
りょうちゃんが今日忙しかったもんね、ってドラマの台本をそっと片付けて俺の頭を撫でた。
「ごめん···」
「ううん、若井でもそんな時あるなんてかわいいね、僕はわりとしちゃうけど」
同じベッドに潜り込み、りょうちゃんは当たり前のようにすっと俺の腕の中に入って抱きしめてくれる。
いつも繰り返される行動なのに毎回かわいいなぁと思っておでこにキスしてしまう。
「···無理しちゃ、だめだよ」
「無理なんて···どっちかという忙しいのはりょうちゃんだからね」
「そんなことないよ。そんなにたくさんセリフもないし···緊張はするけどね」
そんなことはない、なかなかに大変な役を引き受けたりょうちゃんはドラマ撮影に忙しくて番宣とかでも大変そうで、そんな中でも会いに来てくれる彼を大切だと思う。
大好きで、大切で愛おしい。
振られる覚悟で告白して泣きながら自分も好き、と言ってくれたあの日。
俺は自分がここまで夢中になるとは思わなかった。
「俺の···全部、りょうちゃんは俺のだ···」
自分に言い聞かせるように呟いてそっと指先で髪に、頬に、唇を撫でた。
疲れているはずなのにその夜はりょうちゃんを見つめて少しの間眠れないでいた。
それからは本当に忙しそうで、もちろん元貴も含めて仕事では会える。
収録とか撮影とか打ち合わせとか。
でもそんな時間は本当に仕事といった感じで恋人との時間とは程遠い。
「はぁ···俺だけかよ」
家に帰ってメッセージを送っても返事は遅くてなかなか会えない日々が続いていた中、元貴とりょうちゃんとの会話で俺の中のバランスは崩れた。
「りょうちゃん最近、永瀬さんとサウナ行ってるんだって? 」
「うん、撮影の合間とかね。他の人も含めての時あるし、ドラマのみんな凄い仲良くて···あ、この前廉くんからCDもらった!亮平さんもみんなで打ち上げってよく飲みに誘ってくれるし」
ひたすら楽しそうなりょうちゃんは俺がどんな気持ちになってるかなんて気にもしてない。
そりゃそうか···りょうちゃんに負担をかけないように、うっとおしいって思われないように会いたいとか束縛とかしてこなかったから。
···わからないよね、ちゃんと行動に表さなきゃ。
りょうちゃんの手を握って俺はにっこりと笑った。
「りょうちゃん、ドラマ撮影終わったら、俺のところにちゃんと帰ってきて。俺の為に、時間取って」
元貴もりょうちゃんもびっくりした表情で俺を見る。
普段は付き合ってるような気配を出さないようにしてる俺がはっきり元貴の前でこんなことをいったから無理もない。
「も、もちろんだよ···っ!そんなの今日でも明日でも、若井がいいなら僕は···!」
「ううん、無理しなくていいから。全部終わったらね」
でもでも、というりょうちゃんに俺は笑顔で断固としてそれを受け入れなかった。
だって今りょうちゃんが来たら俺は···無事に帰す自信がない。
元貴に怒られる前にこの話はおしまい、と終わらせた。
軽い時間じゃ物足りない。
俺がいいならなんて、俺ばっかりが求めるのも許せない。
心も身体も、奥深くから求めてよ。
狂うぐらいに。
ドラマ撮影がやっとクランクアップしてりょうちゃんから会える?って可愛い連絡が来た。次の日は夜にラジオ収録のみ。
久しぶりにりょうちゃんと2人きりになれる。
早る気持ちを押さえて準備を整えて俺は部屋でりょうちゃんを待った。
「やっと来た」
ちょっとバツの悪そうな照れたような顔で部屋に来たりょうちゃんにはいこれ、って飲み物を渡した。
何の疑いもなくそれを飲み干すのを見ているだけでこれからのこと想像して腰のあたりがゾクゾクする。
やっと来た。
やっと、俺の時間だ。
コメント
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あんなに可愛い人束縛したくなっちゃう気持ちわかるよ💙さん、
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