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「…最低」
なにをどうしてそんなに棘のある言葉が吐けるのさ!?
ーここは群馬県のとある旅館。遡ること数時間前、大雨が降り出しまして。どうも台風が秋雨前線を刺激して関東全域に大雨を降らし、交通機関の停滞や交通渋滞を引き起こしているらしい。そこで先生方の判断として、安全を確保するため天候を考慮して事前に予約しておいたという近くの宿に一旦避難することを決めたという事の顛末である。
内心、私は大喜びしていた。だって…群馬県といえば温泉街でしょ!!そら温泉入りたいんすわ!!
てなわけで、るんるん気分で旅館の食事場所に向かっていたらそう吐き捨てるのが聞こえちまったもんで廊下の曲がり角でおっかなびっくりしているところなんだわさ。
「なんで真凜を置いて行っちゃったの?ずっと一緒に居てくれるって約束したよね」
「そんな約束してないよ」
この声は遊宵先生!?
「嘘つきっ!!そう言って真凜の告白も有耶無耶にしたくせにっ!!」
「……」
「真凜の両親が離婚したとき、ずっと側に居てくれたの遊宵せんせぇだけなんだよ?…なんで付き合ってくれないの!!真凜が一番せんせぇのこと好きだし一番分かってるのにっ!!!」
「ごめんね。真凜ちゃんには幸せになってほしいけど、僕は付き合えない」
「はぁ!?ウッザ。……もういいわ。真凜さぁ、実は最近他校の男子に告白されたんだよね。もうオマエなんかいらないの。そうやって女の子を好きにさせては傷付けて、何がしたいわけ?結局、アンタじゃ幸せにすることなんて出来ないのに。可哀想だね、自分勝手な正義感押し付けて。生徒使って優越感を得ることが目的でしょ?キモチワルイ」
そう言い捨てて、食堂に入って行くのが見えた。
遊宵先生も少し間をおいて食堂に入って行く。…こんなのがよくある事だというのか。あんなこと言われて、私だったら黙っていないだろう。
あの子が投げつけた「キモチワルイ」という言葉が冷たい鉛のように胸に沈んでいく。