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主要登場人物一覧
蔵島壱成(18) …2代目主人公 警衛局付属教育隊大阪地方方面本部ULコース所属
竹島龍聖(18)…警衛局付属教育隊大阪地方方面本部ULコース所属
中島佑紀弥(18)…警衛局付属教育隊大阪地方方面本部ULコース所属
藤森俊哉(18)…警衛局付属教育隊大阪地方方面本部ULコース所属
室口翔平(41)…警衛局付属教育隊大阪地方方面本部ULコース担当教官
西崎保法(38)…警衛局付属教育隊大阪地方方面本部ULコース担当教官
北家徳仁(59)…警衛局付属教育隊大阪地方方面本部部長
入学して3ヶ月が経ち実技の試験が行われた。一般コースでの実技試験は暴徒化した事を想定しての訓練だが、
ULコースはゾンビ化した事を想定しての銃撃及び隊列を組む訓練だ。装備をつけた蔵島達ULコース所属の候補生達は室口から合図が出るまで静かに待機した。
「これより、第1次実技試験を行う。これまで実技授業で得た知識を全てフル活用しテストに励め。訓練は至って簡単だ。目の前にある廃ビルを使う。ビルの中にいるそこでゾンビ役に扮した教官をお前らが持っている模擬銃で撃つ。銃弾が当たると当たった者に色がつく仕組みとなっている。模擬銃で撃てればそれで良しとする。だがゾンビに触れられた場合はその時点でアウトとする。お互いに声を掛け合いながら全て倒してこい」
室口からの説明が終わるといよいよ実技試験が始まった。
「始めー」室口の声で一斉にスタートとなった。中島を先頭に蔵島達はビルの中に入っていった。
「1階、2階、3階に配置し、そのまま銃撃を開始する。以上」中島の指示のもと候補生達はビルの中へと散っていった。2階の担当となった蔵島、中島、竹島は、銃を構えながら慎重に進んで行った。
「前方注視」そう叫ぶと中島は持っていた銃で発砲を行った。
「後方にも発見」蔵島はすぐに後ろを振り向き銃撃を開始した。弾が切れると竹島がすぐに蔵島の前に立ち銃を構えた。その間に蔵島は竹島の後方に隠れ弾の補充を行った。
「弾切れ、前方求む」竹島の言葉で中島はすぐに竹島の前に立ち銃撃を開始した。数分後銃撃を終え倒れた教官達に目をやった。その数は60人だ。
「おいおい、さすがに多すぎじゃねーか?」竹島が呟いた。その時後ろから何かの気配を感じた。蔵島はすぐに後ろを振り向いた。だが既に遅く竹島が捕まった。竹島はうつむきながらビルから出ていった。そのゾンビ役教官はすぐに中島が撃ち倒した。
「中島、2階は大丈夫そうだな」蔵島が言うと中島は部屋を見渡しながら頷いた。実技試験が終わった数分後、疲れきった候補生達を前に室口は試験の脱落者達を前に出した。
「8人が試験の脱落者となった。今からこの8人にはフル装備での駆け足訓練を行ってもらう。残りの者達は解散となる。それにしてもだ、おかしいだろ?脱落者を出す事などあってはならん事だ。声掛けを怠らなければこんな事はなかったはずだ。脱落者それは本番での死を意味する。もっと緊張感を持ってこれからの訓練に励め。以上だ」
話終えると室口は8人に装備をつけるよう命じた。その日の夜蔵島は中島と食堂で夕食をとっていると汗だくになりながら竹島がやってきた。
「おいおい、どうしたんだよ?その汗」中島が聞くと竹島は膝に手をつきながら言った。「さっきまで駆け足訓練だった。入るところ間違ったかも」
「さっきまでってやばすぎだろ。試験終わったの2時だろ?で今8時って」
「あー。6時間走りっぱなしだよ」中島に言われ竹島が答えた。
「流石にやりすぎたな」蔵島が呟いた。
「やっぱり俺ここにいるの無理だわ」そう言うと竹島は汗だくのまま食堂から出ていった。
「おい、ちょ待てって」中島も食堂から出ていった。
「なんか中島の野郎走ってたけど何かあった?」偶然やってきた藤森が聞いた。
「さぁー」そう言うと蔵島は水を一気に飲み干しその場から去っていった。流石に気になる…竹島大丈夫だろうか?そう心で呟きながら蔵島は寮に戻った。戻る途中、中島が勢いよく走ってきた。
「どうした?」蔵島が聞くと中島は膝に手を置きながら言った。
「竹島の野郎、見失ってよ。俺がトイレ行っている間にあいつ居なくなって」
「なぜそんな急いでんだ?」
「あいつ、死ぬつもりだ。早く止めねーと」そう言うと中島はふと屋上の階段に目をやった。
「まさか…」中島は急いでそのまま屋上に向かった。
「おい、待てって」蔵島も急いで屋上に向かった。屋上につくと竹島の名前が書かれた教育隊手帳が置かれていた。
「嘘だろ」中島は手帳を拾い上げるとそのまま下に目をやった。
「中島?どした?」
蔵島は足が震え出した中島を見て急いで中島のもとに向かった。そしてそのまま下を見るとそこには言葉では言い表せない光景が広がっていた。