【2日、蓬は部屋にいましたが、同室の人はいないようです。】
「伊作兄様のように、同室の方はいないのですね。」
「ギャウッギャウッ」
(蓬の声に答えるようにして蒼白は鳴いた。)
「そうですね。あなたがいました😊」
「蒼白。あなたは、ここで留守番しててもらえますか?兄様のところへ行ってくるので。」
「キャウッ!」
「ありがとう。」
コンコンコン(ドアを叩く音)
「伊作兄様。蓬です。」
ガラガラッ(ドアが開く音)
「久しぶり、蓬!」
「はい。お久しゅうございます兄様。お元気そうで何よりです!」
「蓬もね!さぁ。せっかく来てくれたんだから入って入って!」
「で。今日はどんな要件で来たの?」
『流石、兄様ですね。何かの要件で来たのかもお分かりにになるなんて。』
「実は、くノ一の私でも委員会に参加したいと思いまして。無論のこと学園長先生には、許可はもらっております。」
「それで、僕に?」
「はい。6年生の皆さんとは留三郎さんとしか顔合わせしていませんので、兄様から言っていただけるとありがたいのでございます。」
「分かった。6年生と5年生の委員長にも私の妹を見学させてほしいと言っておくよ!」
「本当ですか?ありがとうございます!」
ガラガラッ
「伊作!晩メシ食いに行くぞ!って、蓬じゃねーか!」
(少し、びっくりしたように留三郎は言った。)
「お久しゅうございます留三郎さん!」
「忍術学園に編入して来たことは知ってたが、お前…どうしてココに?」
「あぁ留三郎。理由を説明するよ。」
「実は、〜〜〜なんだ。」
「そうか、伊作の妹だろ!大歓迎だぞ!」
「ありがとうございます!もうそろそろ、私は部屋へ帰ります。」
「じゃあな!」
「……」
(伊作はなぜか黙っていた。)
【部屋に帰ると蒼白を撫でながら独り言を言っていました。】
「蒼白。私は兄様のことが羨ましいのです。」
「ギャウ?」
「なぜって?兄様は、同室の方が居ると、とても楽しそうなのです。」
つづく