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5話 全部赦して挙げる②
ツバサside
深呼吸をして気持ちを落ち着かせ、状況を整理する。
蒼が一緒にお風呂に入ろうと誘ってくれた。
いや、分かるけど解らないよ。
「ツバサ〜?大丈夫〜?」
風呂の磨りガラスの向こうからくぐもった声が聞こえる。
「あ、ごめん!もう大丈夫だよ!」
「はーい!」
程なくして、風呂のドアが開いた。
僕は壁側を向き、シャワー側が極力視界に入らないように背を向けた。
「ねえ、ツバサ!今日は楽しかったね〜明日は何して遊ぶ?」
「あ、嗚呼…。明日は商店街にあるカフェでかき氷とか…あとは…」
僅かに声が震えるが、お風呂の反響とシャワーの音で誤魔化される。
「うん。食べよう!…かき氷も好きだけど、***も好き!」
水の音に掻き消されて聞こえない
「え?なんて言ったの?」
「……内緒」
「なんだよそれ」
張り詰めた空気を破るように、湯が縁から溢れる音が背後で聞こえた。蒼が湯船に浸かったのが分かる。
心臓がドクドクと鳴る。
「…ねぇ、なんで後ろ向くの?」
「は、恥ずかしい…から…」
(本当は違う)
「別に恥ずかしがることじゃないじゃん!」
「…」
「もー!こっち向いてよー!」
「無理…」
蒼の方を見てしまったら、自分はどうなるんだろう。怖い。
「えー!なんでなんで!いいじゃん別に」
いつものおどけた感じの蒼。
「良くないよ…。」
「なんで〜?ちょっとくらいこっち向いて!」
蒼が後ろから抱き着いてくる。
「やめろって!!」
思わず強く言ってしまった。
「……ごめん」
これ以上一緒にいると、この関係も蒼も壊してしまいそうで怖くなる。
「…先、あがるわ」
「ごめん」
「謝らないで、悪いのは僕の方だから」
蒼の方は見ないようにそっと浴室の戸を閉めた。
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キャラメルʕ⁎̯͡⁎ʔ༄
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コメント
1件
うわ、この空気感やばい…。ツバサの心臓の音とか、背中越しに感じる蒼の存在とか、文章から緊張がビシビシ伝わってきた。お風呂のシーンってだけでドキドキするのに、「本当は違う」って思ってるツバサの葛藤が切なくて…。蒼は無邪気に距離を縮めようとしてるのに、ツバサは自分を抑えきれなくなるのが怖いんだよね。最後の「謝らないで」って台詞、すごく刺さった。慰麗梳さんの心情描写、本当に繊細で大好きです。