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#溺愛
88
「ソフィア! ……無事かっ!」
「……ふふっ。カイル殿下。そんなに大きな声を出しては、この子が驚いてしまいますわ」
彼はベッドサイドへ駆け寄り、私の手を握りしめた。アイスブルーの瞳は潤んでいた。私は微笑みながら、赤ちゃんをそっと差し出した。
「……温かい。これが、俺たちの子か……。この瞳、俺と同じ青だな。髪はソフィアと同じ銀髪だ……」
愛おしそうに頬を寄せる彼の横顔は、いつになく穏やかだった。
「名は『セレナ』だ。この子が皆の光となるように」
「セレナ……。素敵な名前ですわ」
彼は娘の小さな指を自分の指に絡めると、途端に鋭い眼差し(ただし目は潤んだまま)で周囲を睨みつけた。
「俺は誓う。娘を傷つける不届き者は、このカイル・フォン・オルディスが根絶やしにしてやる。……男との交際? 結婚!? 断じて許さんっ! セレナの隣に立っていいのは、この俺を倒した男だけだ……!!」
「まあ。そんなに怖い顔をなさらないでくださいませ?」
私はクスクスと笑った。
「よし、明日から特訓だ。セレナに近づく悪い虫どもは、一匹残らずこの俺が叩き潰してやる!!」
窓から差し込む朝日に照らされ、愛が重すぎるパパの叫びが響き渡った。
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