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64 ◇彩乃の言葉
「ねねっ、父さん」
言いたくてむずむずしていた彩乃が言葉を発した。
「ん? 」
「マッキーさぁ、何してんの?
あの一緒にいるおじさん誰? 」
「マッキーのもうひとりのお父さんだ」
「ふへぇ~、にいにいは父さんがふたりいンの? ねねっ」
「ン? 」
「じゃあさっ、私のもうひとりの父さんはどこにいんの? 」
「Hahaはぁ。
残念だねぇ~綾乃の父さんは俺だけだ。
ひとりだけしかいないんだな、これが」
「え~、ずるいじゃんね、マッキー。
これじゃあお年玉くれる人がマッキーにだけ増えるじゃん」
と、まだ9才になったばかりの彩乃が抗議した。
「おまぃ……お前……いい子だねぇ~。
父さんはそういう発想のできる子が大好きだよっ♥♡」
「そっ、そうなの?」
ここで父親に好きだと言われ、照れる彩乃。
ふたつの席でそれぞれに会話が進んでいるなか……
ついについに……じゃじゃじゃぁ~ん!!
その女性が現れたのだった。
「冬馬くん、どうしたの?
至急来たれしって、電報みたいなメール。
走ってきたんだけど何があったの? 」
三浦は視線で亜矢子に事態を知らせた。
実は今日この場所で真樹夫が元夫の英と会うことを亜矢子も
知らなかったのである。
英からコンタクトがあって近々会うことになりそうだ
という話は真樹夫から聞いてはいたが。
「みっ、三浦くん……ちょっと心の準備が出来てないから
私はこのまま帰るね。
じゃぁ……」
亜矢子は急いで踵を返した。
「えっ? へっ? ちょっ、待……って。
亜矢子さん(汗:)
あなた、ここにいる登場人物を皆んな振り捨てて行くんですか?
行くんですかぃ? 」