第17話、本気モードの王族たちの決着は…
どうなってしまうのか楽しみです!
それではどぞ!!
〈❤️side〉
身体が熱い…久々にこんな炎を使ったから身体に熱が溜まってきてるんだ。
キツい……辛い……苦しい……俺、こんな思いするの初めてかも。まさに、崖っぷちの状態か。
…ははッッ、ガチの最終局面かよ。良いじゃねぇか。このキツさをバネして、お前に勝ってやるよ!!!
そして……すちを、助ける。絶対にッッ!
母「私を本気で討とうなんて…そんなの不可能よ。万全のなつなら分からなかったけど…今の状態、」
❤️「………ポタポタッ(血が流れる)」
母「私の魔技の斬撃で、血が止まらないでしょう?それ以上動くと、出血過多で取り返しのつかないことになるわよ。」
❤️「………俺の心配か?」
❤️「余計なお世話だなッッ!!」
母「!!」
❤️「ッッ……ふッくっ……はぁ…はぁ…これで心配することなく、戦える。」
母「(傷口を焼くなんて…相当な痛みのはずなのに…)本気なのね…。」
❤️「最初から言っただろ?」
❤️「こっからは全力だってな!!」
母「!!!紫色の炎の槍!?…そんなの、見たこともないし聞いたこともない。」
❤️「…これは俺が開発した炎であり、それを用いた応用の技だ。炎の槍の火力ももちろん、炎の効力付きだ…これを受けてタダで済むと思うなよ。」
❤️「行け…!」
母「強い…でも、やっぱりスピードは遅いようね…。(なら避ければ…)」
❤️「……さっきと同じと思うな」
母「シュン!!(横に避ける)」
母「なッッ!?」
❤️「この槍はホーミング性能付きだ。着弾するまで追い続ける最強の槍…避けられると思うな」
母「(クソ、避けられない…!)」
❤️「……完全に命中、これでかなり魔力を削れたかな」
倒れる一歩手前まで持っていけたらいいけど……この炎の槍程度では、流石にそれは見込めない。まだまだ炎を使った大技で追い込まないと…
❤️「いつまで炎に焼かれてんだ、早く出てこいよ」
母「……パァン!!(全ての炎を消す)、やってくれたわね…かなり痛かったわ。」
❤️「(あの火力を“かなり”で済ませているのか……)化け物が」
母「どの口g((ぅッッ…カハッ!!(吐血)…ハァハァ」
❤️「……効いてきたな?紫色の炎の効力が…」
母「…まさか、毒…ッッ」
❤️「その通りだ。」
俺はこの一手で、コイツを確実に倒せると元々思っていない。だから、炎の槍に用いた紫色の炎の効力「デバフ効果」を使って相手をできるだけ削る戦略にした。
次の一手を確実に刺すために……。
❤️「(相手はもう十分傷を負った、魔力も消費した、後は俺がゴリ押すだけ!)」
この場に最適解な炎は…コレだ。
❤️「ボワッ…(水色の炎)」
母「!…また知らない色の炎を…ッッ」
❤️「水色の炎の効力は火力2倍……一撃でも当たったら、致命傷だぜ?」
母「火力2倍…そんな手札を最後まで」
❤️「言っただろ…出し惜しみなしだって、これが文字通り全力」
❤️「もう手札なんかない!!これが決まらなかったら、俺の負けだ!!!」
❤️「でも、ここまで追い詰めた状況なら…きっと決められる…決まらないなんてことはあり得ない。」
母「………っ!」
❤️「全部掻い潜れるものなら掻い潜ってみろ!俺の全力を防いでみろ!!俺はお前に勝って、すちを助けるんだ!!!」
❤️「行け!!!」
母「……」
❤️「ハァハァ…ハァハァ…ハァハァ…」
❤️「ぁッッ…ドサッ(空から落ちる)…ハァハァっ…もう、空を飛ぶほどの……体力もないってか。」
❤️「でも……アイツの気配を感じないって、ことは……倒せたんだ。やった…」
❤️「うぐぁッッ!?……今になって…焼いた傷が…ッッ痛…い…ハァハァ…ハァハァ…クソ…」
少し…休憩するか、こんなボロボロなままじゃすちを運ぶ力すらねぇよ。
魔力も残ってればいいけど……魔力コストの高い紫や水色の炎をポンポン使ったせいで、残った魔力もほんのミリ程度。これじゃ何もできない。
❤️「はぁ……ふぅッッ……一旦休んで…それから…」
❤️「…………はッッ?バタッ」
俺は今、どんな状態だ?攻撃を受けた…そして、倒れてしまった…?それは何故だ???
何故俺は傷ついてる?
何故血を流してる?
何故魔技を受けている?
…何で、なん…ッッで……
❤️「ッッ!?…嘘…だ………ろ?…何で、…何でッッ」
母「本当にあなたは悪い子になったのね、親である私を傷つけて、コイツを優先する。……どれだけコイツに悪知恵を入れられたのかしら。」
❤️「………何、で……立ってッッだって…あの技を…受けて…」
母「確かにボロボロだった私が、水色の火球を一撃で受けてたら負けてたわ。けど…避けることも逃げることもできない私が、何とかなる方法が1つだけ、あるのよ。」
❤️「………まさ…か…」
母「そうよ、あの火球全てを避けずに“防いだ”。魔技【バリア】を展開して、火球の雨が止むまでずっと耐えていた。もちろん、魔力の消費もすさまじかったけど……結果魔力と引き換えにこの状況を作り出した。」
母「そう、あなたが私の不意打ちを受けるという……状況をね?」
❤️「くッッ…」
母「私をここまで追い込むなんて…どんな覚醒をしたらそんな風になったのかしら。あなたの口からその体験談を聞きたかったけど………残念だわ。」
母「そのまま私の言う事を聞いてくれるなつで良かったのに……こんなに悪い子だと、私の計画にも支障をきたすわ。」
❤️「……何をッッ…する、つもりだ!」
母「洗脳する、そして私の言う事を確実に聞いてくれるようにする。」
❤️「ッッ!?」
母「安心しなさい。洗脳しても、あなたの命は危険に晒さないわ…確実に守ってあげる。」
❤️「……そ、…んな、ことっ…絶対にッッ!」
母「どれだけ抵抗しても無駄よ、洗脳ってそういうものだから。」
母「でも、洗脳する前に……私はあなたの母だもの。息子の最後のお願いを聞いてあげるわ。」
❤️「…願い…だと?」
母「えぇそうよ、あなたが喜ぶ最高の願い。」
母「なつの大切な大切な、すちくんと…最後話したいでしょう?」
❤️「!!…お前ッッ……すちに手を出すな!!!」
母「それは無理な話しね、元々すちくんは羽だけのためにここに連れてきたんだもの。切り落とさないで返す選択なんてないわ」
❤️「っ…すち!!起きろ!!起きてくれ!!目を覚ませッッ!!」
母「目は覚まさないわ、すちくんには薬を盛ってある…相当なことがない限り確実に覚まさない。」
❤️「そんな…」
母「さて…やりましょうかね」
そういいアイツは、大きな刃物を持って、すちを囲っているガラスケースをゆっくりと開けた。
母「この羽を切り取るためだけの刃物、作るの大変だったんだから…きっと最高の形で切り落とされるでしょうね。」
❤️「すちッッ!すちッッ!!やめろっ!!すちの羽を……すちを傷つけるな!!!」
母「…スッ(刃物を振りかぶる)」
❤️「あ………」
このまま振り落とされたら…すちの…羽が切られる。
止めないといけないのに……身体が動かない、魔力もないから炎も魔技も使えない。邪魔すらもできない。
俺がしっかり倒していれば……すちも助けられたのに。結局最後の最後に、やられてしまった…。
また……また……また……また…ッッ
大切な親友を守れなかった……。
💚【ひまちゃん!!ニコ】
❤️「!!」
……そうだよ。俺は誓ったんだよ。
全てをかけて、すちを守るって。
俺を変えてくれた、大切な親友の笑顔を!存在を!守るって!!!
なら……ここで這いつくばってるのも、おかしいだろ?守るべきものが、傷つきかけてるのに…何で見てるだけなんだよ。動けないなんて、そんな甘ったれて良いわけねぇだろ。
全てをかけてでも!動けよ!!
❤️「ダッ!!!(走り出す)」
お前を、守れるなら……無事なら…
……この先の未来がなくても、それでいい。
〈💚side〉
ずっと…ずっと…冷たい空間に居る感覚があった。何も聞こえない、何も匂わない、何も起きない、何も感じない……それがずっと続いていた。
何でこうなっているのかすら分からない。俺は今、どうなっているのだろう?たった1人で…何をしているのか…自分自身の身体なのに、まるで他人の物かのように、何をしているのかを把握できなかった。
永遠と続く晴れない空間に……孤独感と恐怖を覚える。
けど、少しだけ温かった。どこからか感じる温かい波動……正体も分からないけど、その温かさに救われる。
こんな空間でも……居たいなと思っていた。
💚(……温かい…ッ俺に、この安心感をくれるとは誰だろう?それとも…“誰”とかでもないのかな?)
あぁ…この温かさを…手放したくない。ずっといて欲しい。
💚(……ねぇ…どうしたら、一緒にいてくれる?)
誰もいないであろう空間に、そう問いかける。
返事も何も期待していない…けど、言いたかったんだ。この安心感を内に秘めたくなかったから…伝えたかったから。
((なら………目を覚ましなさい))
💚(えっ?)
((貴方の大切な灯火が、尽きる前に…))
大切な…灯火?
一旦…何を言って?
ボワッ……(小さな炎が灯す)
💚(…あ、何もなかったはずの空間に、小さな炎が……出てきた?)
俺は、その炎の近くに…手を当ててみる。
これも、すごく温かい……安心できる。
ボゥ…フワッ……(どんどん炎が小さくなる)
💚(!……炎が…小さくなって)
温かさが、消えていく…冷たくなっていく。
そんな……大切な炎が、なくなってしまう。
消えないでほしい。寂しくなるから、怖くなるから、……ずっと傍にいてよ。
💚(……“大切な存在”だから……)
大切な存在……。
大切な、存在?
何で今俺は…大切な存在だと思った?何でそう口走った?何でそう表した?
大切な存在って思っただけなのに、何で心がこんな苦しいんだろう。
?【すち!!】
誰かが名前を呼ぶ……。
大きな声だけど優しさの籠もったかっこいい声。
この声に、今までにないほどの安心感を持つ。
これも大切な存在…?
何で、こんな気持ちになるの。何が俺の中にいるの。
この温かさも、この炎も、この声も、この安心感も…………
?【すち……すち…目を覚まして、ここから抜け出して】
💚(……誰、誰なの…何で俺に語りかけてくるの?)
?【何でって……そりゃ、当たり前だろ?】
?【すちの親友だから。】
💚(!……親、友……)
あぁ……そっか、何で忘れていたんだろう。
俺には居たじゃん……1番安心できる最高の親友が。
💚(……ありがとう。ひまちゃん…)
❤️【…すち……負けるな。勝てよ。】
そういい、辺り一面が光で覆われる。
今は冷たい空間も、温かさもない……けどこれでいい。これが1番だ。
💚「……っう」
俺は目を覚ます。長い間意識を落としていたからだろうか、体の節々に痛みを感じる。
💚「(今は……どんな状況なんだろう、とりあえず状況確認を……)」
💚「………え?」
嫌な音と共に、鼻につく大量の血の匂いとドシッ…とのしかかる重たい何か……。
俺は恐る恐る…のしかかってきた重たい何かに目を向けた。
💚「ッッ!!……あ…あぁ…ッッ」
俺が……見た光景は…………
❤️「………ポタポタッ…」
恐ろしいぐらいにボロボロになった、羽の無いひまちゃんだった。
第18話「憤怒」
コメント
5件
え、なつくん? 待ってホラー映画並みに怖い
ハァッ⤴︎⤴︎⤴︎ めっちゃ最高すぎます!! 多分心臓止まりました((((( ほんとにこの後の展開楽しみです!!