テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
いつもより大分早く家に帰ったぺいんが張り切ってハウジングをしている。
「ツリーとリースは絶対で…おっこの雪だるま可愛いじゃん、これも飾っちゃお!んーこれは派手すぎ?こっちは子供っぽいかなぁ…」
一つ一つ悩んで吟味しながら置いていたらあっという間に時間が経ち、玄関のドアが開いた音にも気付かなかった。ぐち逸も早めに切り上げて帰って来たつもりだったがリビングの前まで行くと中から独り言が聞こえてくる。
「早かったんです、ね…これは…」
「あれっもう帰って…は、こんな時間なの!?ごめんおかえり、まだ準備終わってないんだ。」
「これクリスマスの…」
「ぐち逸が帰ってくるまでに準備するつもりだったのに今やっと飾り付けが終わった所。ごめん。」
「嬉しいですが言ってくれれば一緒にやったのに。」
「いやーなんかちょっと、見栄張りたいっていうか良い所見せたくてさ…w」
「そんな事しなくても…あとは何が終わってないんですか?」
「あとは料理かな、お店巡って色々買ってきたから温め直して食べよ!」
チキンやパスタ、ピザ、スープ、サラダ等テーブルいっぱいにご馳走を並べて最後にぺいんがボトルとグラスを置いて座った。
「あとこれ、ぐち逸お酒あんま飲まないよね?だからシャンメリーにしたよ。」
「そこまで気遣ってくれて悪いです。」
「いやいやこんくらい当然だよ、はい。じゃー乾杯!」
チンッと小さな音を立てて喉を潤し食べ始める。どれも美味しくて楽しく談笑しながら食べ進め、気付けばかなりの量をほぼ全部平らげた。
「やばい食べ過ぎた…動けない…」
「ケーキもあるって言ってましたよね?」
「また後で食べよ、暫く休憩。」
「じゃあちょっと部屋に行ってきます。」
仕事が残ってるんだろうか、悪かったなと思いきやすぐに戻ったぐち逸は両手で大事そうに包みを持っていた。
「あれそれって…」
「ぺいんさんに、どうぞ。」
「ちょっと待ってね…これ、俺もぐち逸にプレゼント。」
形も大きさも、包装紙も全く同じ物を差し出した。これは…?と渡し合って開けてみる。
「やっぱマグカップ、俺のは黄色だ!お揃いだね、ありがとう!」
「ありがとうございます。…お揃い…」
自分のマグカップをじっと見つめてはにかんでいるぐち逸の頭を撫でる。するとぺいんの顔と黄色いマグカップを見てまたふふ、と笑った。
「早速使うか!入れるよ、温かいお茶で良い?」
「お願いします。」
キッチンに向かうぺいんを目で追ってカーテンの隙間が視界に映った。チラチラと白い雪が舞っている。
「なにしてるん?そこ寒いでしょ。」
「雪降ってますよ。」
「わぁほんとだ!綺麗だねーロマンチック、ホワイトクリスマスだ。ほら寒いから飲みな。」
「ありがとうございます。…ふぅ、あっつ…」
「積もるかなぁ明日起きたら一面真っ白かも。」
「運転注意しないといけないから厄介ですね。」
「そ?でも遊べるじゃん!…ごめんね、カッコつかない彼氏で。」
「私はぺいんさんのそういうところも好きですよ。」
「ヘマしてるのが良いってかぁ!?ありがと、俺もぐち逸のそういうところ大好き。」
窓の横に椅子を2脚置いて湯気の立つマグカップを持ち、目を輝かせながら、心を踊らせながら並んで外を眺めた。